あらすじ
時代を彩った数々の名曲を生んだ作詞家・阿久悠。"ヒットメーカー"と呼ばれた阿久の歌は、平成の今も愛され続けている。阿久の妻・雄子(松下奈緒)は、女子高生たちが夫の作った歌を口ずさむ姿を見て、阿久と出会った頃を思い出す……。
昭和38(1963)年、阿久悠こと深田公之(亀梨和也)は、広告代理店に勤めるサラリーマンだった。そこで出会ったのが雄子。同じ匂いを感じた二人はつき合い始め、翌年結婚。この頃から、会社には内緒で放送作家のアルバイトを始め、そこで「阿久悠」というペンネームを使うようになった。
“ものを書く”仕事をしたかった阿久は、やがて会社を辞めフリーの放送作家に。そして、作詞にもチャレンジするとその才能を発揮し、森山加代子の『白い蝶のサンバ』を大ヒットさせる。「時代を作る流行歌を生み出したい」と、本格的に作詞活動をすることを決意する阿久。仕事はますます忙しくなり、雄子と息子・太郎の待つ家へ帰るのは 2~3か月に一度、という状況になっていった。
昭和46(1971)年。阿久は、日本テレビのプロデューサー・池沢(八嶋智人)に声を掛けられ、新番組の立ち上げに参加する。池沢は「テレビ局からスターを生み出したい!」と、新しいオーディション番組を作ろうとしていた。池沢にアイデアを求められた阿久は、オーディションのすべての過程をガラス張りにして放送するという今までにない番組スタイルを提案する。それが伝説のオーディション番組、「スター誕生!」の始まりだった。
自ら審査員を務めることも決まり、いよいよ『スター誕生!』の放送が開始。
しかし、阿久や池沢ら制作スタッフが期待していたようなスター候補生はなかなか現れず、番組は前途多難なスタートを切ったのだった――。