21世紀を迎えて間もない南鳥島沖の深海で、海底掘削が始まった。 これは海底に掘削基地を建設し、世界で初めて地下6500メートルまでの地球深部掘削を行うという、チャレンジングな国際プロジェクトである。 主人公・息吹ヒロシをはじめとする掘削チームは深海基地で生活しながら、新開発の掘削装置を使って地殻を掘り進んでいた。地球深部から掘り出したサンプルを分析すれば、これまでの地球の歴史を解明し、将来の環境変動を予測したり、有望な地下資源を期待することができるからだ。 |
だが、この研究に疑念を抱く生物学者の王春露(ワン・チュンル)は、掘削基地に忍び込んで、掘削を中止させようとする。春露によれば、マントルにすむ未知のバクテリアを蘇らせてしまう危険があるという・・・。 春露の警告も時すでに遅く、掘削ドリルによって地殻は掘りぬかれ、長く地球深部に封じ込められてきたバクテリアが海中に流出してしまう。 深海に浮かび上がったバクテリア群は、まるでオーロラのように発光しながら、海底掘削基地や海上支援船を襲いはじめる。本能の赴くまま、外壁のコバルト合金を溶解させるバクテリアの前に、一触即発の危機を迎える海上自衛隊の潜水艦。 海底採掘基地に閉じ込められた掘削チームに、基地の圧壊という危機が迫る・・・。 |