そこでまずは、この写真をどうすれば撮れるのか、明治33年創業の「平舘写真館」へ。
するとそこには明雄さんの言っていたジャバラのカメラが。
現在のカメラはフィルムに焼き付けるものだが、当時は乾板と呼ばれる乳剤を塗ったガラスの板に焼き付けて印刷していた。

そこで、まずはフィルムの代わりとなる乾板づくり。
しかし、当時から乾板は工場で生産されていたため、平舘写真館のご主人もそれ自体を作ったことはないのだという。
未知の作業だが、まず取り掛かったのは割れたガラスを基本に、その表面を石灰で磨いて乳剤をぬれる状態にしていく。
そしてここからは、文字通り「手探り」の作業。

画像を焼き付けるための乳剤は、光を感じて反応してしまうため、光の届かない場所での作業をしなければならない。
そこで、今年はすでに収穫を終えたキノコ小屋を、隙間はすべて埋め日光を遮った状態で暗室として使うことに。
そこで平舘写真館のご主人に頂いた“感光乳剤”をガラス板に塗り、数時間置いて乾かしたら、専用の木枠に入れて準備完了となる。