2016年7月31日 放送内容DASH ご当地PR課
~徳島県三好市 流しそうめんで秘境の町をPR~

今回、松岡と長瀬がPRするべく訪れたのは、徳島県三好市。
山深い渓谷の大歩危・小歩危や、かずらという、
つる植物で作った吊り橋・かずら橋、断崖を見下ろす小便小僧など、
幾つか名物はあるのだが、どれも知名度は今ひとつ。
そこで、三好市は、これらすべてをひっくるめ、
「秘境」としてPRを始め、町の至る所に「秘境」の文字が。
長瀬「やっと着いた!いい景色だね」
秘境だけあって、最寄りの高知龍馬空港から車で2時間半。
ここ祖谷地区は、831年前、源平の合戦で敗れた平家が、
隠れるように移り住んだと言われる地域。
今も残る歴史的建造物や田園地帯が広がる、
三好市祖谷地区の秘境 落合集落。
素晴らしい景色にも関わらず、いまいち知名度の低い訳は、
地区長「若い人が少なくなりましてね」
ピーク時には1000人ほどいた村の人口は、わずか150人に。
しかも、そのほとんどが65歳以上のご高齢の方。
30代以下の若者はわずか5名、限界集落となっている。
ここ落合集落は、日本三大秘境といわれているのだが、
観光客の数は極端に少ない。
そして、そこかしこにあったのが、手作り人形。
松岡「なにこれ、案山子?」
長瀬「動物が来ちゃうんじゃない?」
実は動物除けではなく、人口が減っていく寂しさを埋めるため、
地元のお母さんが作ったもの。
その寂しさ、今回のPRで解消せねば!
では、秘境・落合集落、どうPRするか。
松岡「急な坂…そうめんだね」
2年前、坂の町・尾道でも全長1km、
流れるそうめんと共に坂の町の美しさをPRした。
これと同じく、山の斜面を活かし、村全体を流しそうめんのコースに。
そうめんと一緒に村の名所を巡り、麓のゴールへ!全長1.5km!
スタートは標高900m、古民家の庭。
協力してくれるのは、
この地域の伝統ある茅葺き屋根の修繕や整備を手がけてきた、
建設会社「昇住建」のみなさん。
コースに使う竹は、市内の増えすぎたものを切り出し、
半分に割って、落合集落に住むみなさんにもご協力いただき、
一から手作業で節を取っていく。
そして、用意した竹の数は400本!
これを長瀬と共に、スタート地点から組み立てていく。
まずは傾斜30度、組んだ土台の上に竹を這わし、
長瀬「勢いに乗るしょっぱなのストレート」
とはいえ、30度はスキーのジャンプ台並み。
この先で左へ直角に曲がるコースにしたいのだが、
長瀬「勢い余って(そうめんが)落ちちゃうのが心配」
そこで、そうめんを受け止める壁を設置。
これも村の名物、竹を火で炙った“ひしゃぎ竹"で。
外壁に貼れば防水、防寒の効果があり、
この地域の民家に使われているもの。
この壁がクッション代わりとなり、
急斜面を直滑降で滑り落ちてきたそうめんを、
しっかり受け止めて、コースに流してくれるはず。
一方、松岡は500m地点、ここにも是非PRしたい名物が。
松岡「石垣すごいね」
江戸時代、400m下を流れる吉野川の石を集めて作られた石垣。
あえて大きさの違う石を並べることで、崩れにくくなる乱積みは、
城郭などにも使われる、傾斜地ならではの伝統的な積み方。
400年の歴史を持つ石垣も村のPRポイント。
平家が逃げ延び、この地に移り住んだのがおよそ800年前。
その子孫が、江戸時代に作ったであろう石垣を、
流しそうめんのコースに。
そして、この先、階段上の急勾配には、竹を段々に組み、
松岡「名前は…“ダンダダンの坂"だな」
その先は、200mの比較的なだらかな斜面が続き、
さらに、その向こうには、人力のロープウェイ「野猿」。
実はこの場所、30度を超える急勾配。
しかも、水路や畑が入り組んでいて竹を通しづらい。
そこで、この地域の渓谷を渡る名物、野猿に目をつけた。
これを使って、そうめんを運ぶ作戦だが、
松岡「柔らかいつるですね」
野猿に結びつけたのが、これも名物・かずら。
それは、祖谷に掛かる吊り橋で使われている、つる植物の茎。
平安時代、源氏との戦いに敗れ、この地域に移り住んだ平家の落人が、
追っ手から逃れる際、橋ごと切り落とせるように作ったとされる。
そこで、そうめんが通過すると、糸に繋がれたストッパーが外れ、
斧がかずらを切断、そうめんが乗った野猿が下る仕組み。
そして、1.2km地点。
ここでは、絶壁の急勾配を高さ10mのジャンプ台コースに。
つまり、宙に飛んだそうめんを幅10cmの竹で受け止める。
重要なのは竹の角度だが、まずは、
長瀬「アヒル隊長でテストしてみましょう!」
そうめんを流す水は、村周辺の山々から湧き出る、豊富な天然水。
こうこうと湧き出ているので、村の人たちの水道代はタダ。
そんなたっぷりの湧き水で、隊長をいざ…と!
長瀬「隊長ーっ!大丈夫か!?」
大きくジャンプした隊長は、コースを外れて真っ逆さま!
しかし、竹の角度は合っていた。
1回目も2回目も幅10cmに無事着地していた。
あひる隊長はプラスチック製、
なので、跳ね上がることでコースアウトしてしまった。
そうめんなら跳ねずに、この角度でいけるはず。
そして、地元の皆さんも村のPRになるならと、
車の入れない場所はモノレールで竹を運び入れ、
市役所の方々も全面協力。
およそ80人がかりで落合集落に竹を這わせていく。
そして、山の斜面を使った全長1.5km、
全ての竹の設置が完了!
そうめんは、集落の頂上からスタ-ト。
まずは、村全体を見下ろす急斜面ストレート。
続いて、松岡命名「ダンダダンの坂」。
そして、平家落ち武者の末裔が造ったか、歴史ある石垣の前を横断。
その先には名物の野猿、さらに10mジャンプ台エリア。
これらの難所を乗り越え、目指すは1.5km先のゴール。
村のシンボル茅葺きの古民家、
明治34年に建てられた室内を通りゴールへ。
そこで待つのは、この村で生まれ育って73年、
そうめん大好き落合集落地区長・南敏治さん。
果たして、無事そうめんは地区長の元に届くのか?
そうめんは徳島名産のすだちを練り込んだ緑色。
松岡「(名前は)ミドリにしよう」
落合集落の思いを乗せた、ミドリがスタート!
最初のストレート、滑り出しは順調。
ひしゃぎ竹の壁も無事に機能して、
その先は、近所に住むお母さんが育てたツツジの急カーブ。
ここも難なくクリアし、
長瀬「絶景の横を走るそうめん、いいね!」
2階以上の建物がないため、視界を遮るものはなく、
見える景色は800年ほぼ変わらない。
そして、住宅が建ち並ぶエリア。
最高の眺めを堪能できる集落内で一番の高級住宅街。
それでも地価は都内平均のおよそ300分の1。
そして、集落の様々な場所に置かれているかかしを横目に、
ミドリが民家の敷地内にお邪魔すると、
お母さん「“ひらら焼き"食べてって!」
アマゴなどの川魚の味噌焼きは、ここの郷土料理。
松岡「食べたいけどミドリが行っちゃう!後で食べる!」
二人は、スピードに乗ったミドリを追いかける!
ほとんどのお宅の縁側が道沿いにあり、
散歩をしながら地元の人々と触れ合えるのも、この秘境の魅力。
松岡「やばい!ダンダダン(の坂)だ!」
それは、今から400年前、
落ち武者の末裔が踏み固めたか急勾配の坂道。
長瀬「(ダンダダンの坂)越えた!カッコいい!」
そして、500m地点、江戸時代から続く石垣エリアへ。
松岡「ここはゆっくりだね」
江戸時代からこの地に住む、ご先祖たちが眠る墓も通過し、
スタートから40分、コースの中間700m地点。
この先は、地元名物の野猿で作ったカラクリ仕掛けが。
そうめんが通過するとストッパーが外れ、かずらを切断、
野猿に乗って下まで一気に!
長瀬は着地点に先回り。
そうめんがゲートをくぐると、野猿が発射!
松岡「達者でな!ミドリ」
さすがは、追っ手から逃れる平家の知恵。
かずらは斧ですぐ切れ、80mの綱渡り!
そして、この先にも更なる仕掛けが。
長瀬の元に辿りついたミドリ、今度は電動ロープウェイに。
本来は、急斜面の荷物運搬に使用しているものを
ありがたく拝借して、地元の方の操縦で運ぶ。
そして、このそうめんをコースに戻すには、
ゴンドラからはみ出た竹が木に引っかかり、
前に傾くことで、所定の位置に戻る仕組みで!
これは地元の方々、平均年齢78歳、幼なじみの3人が、
知恵を出し合って考えた。
ぶっつけ本番、上手く作動するのか?
松岡「上手くいった!結構な難関をクリア!」
スタートから1時間、1km地点を通過して、
いよいよ長瀬発案、落差10mのジャンプ台エリア。
長瀬「この流しそうめんの一番の難関」
ひとまず、地元の方が入れてくれた、祖谷の番茶を流し込み、
長瀬「ミドリ飛ぶよ!風の無いことを祈って!」
風に流されたらコースアウトの可能性大。
と!果敢にジャンプ台に挑んだミドリは、
みんなの予想に反して、華麗なジャンプを見せ、
長瀬「行ったー!ミドリすげー!」
コースアウトどころか、スピードに乗って突破!
松岡「やべえ、オレ泣きそう」
しかし、その衝撃でミドリはさらに小さく。
そして、ここからは、傾斜が少ない道が続き、
長瀬「流れなくなるのが怖い」
さすがのミドリも疲れたのか、スピードが格段に落ち、
その姿はまるで、24時間マラソンの城島。
長瀬「リーダー!もう少しだ」
そこで、小便小僧が水に勢いをつける!
長瀬「ミドリに魂が吹き込まれました!」
元気を取り戻したミドリは、落合名物のごうしいも畑を通過。
スタートから1時間半、多少ふやけてはいるが、
なんとか一口分ぐらいは残っている。
そして、この地区伝統の壁・ひしゃぎ竹や茅葺の屋根、
120年の時を超え、今も残る古民家の脇を通り玄関へ
120年の歴史を感じながら、
ミドリがいよいよ、南地区長の待つゴールへ!
そして、落合集落の美しい風景を旅したそうめんの味は?
地区長「んー!旨い!」
日本の原風景が今なお残る大秘境、
徳島県三好市の落合集落へ!皆様もぜひ。
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