2017年6月11日 放送内容DASH ご当地PR課 ~愛知県岡崎市 超跳ねる水切り石づくり 世界記録88回を超えられるか!?~

今回のPRスポットは、愛知県・岡崎市。
市民の自慢は、街の中心にそびえる岡崎城と、
この地で生まれた、徳川家康。
春祭りには、大人も子供も、家康に扮して街を練り歩き、
ご当地ラーメンの名前から、郷土料理やパフェ、地酒にも、
家康の名をつけるほど、徹底的に家康に乗っかり岡崎をPR!
しかし、岡崎市には家康と同じくらい歴史があるのに、
実はあまり知られていない、日本一の名物が。
城島「石屋さんいっぱいある。(岡崎)石が有名なんやね」
そう、岡崎は、茨城の真壁町(まかべまち)、香川の庵治町(あじちょう)と並ぶ、
日本三大石都の一つ。
岡崎で採れる御影石は、硬い上に、キラキラと光る白雲母などが
多く含まれることから、「岡崎みかげ」と呼ばれるブランドで、
市内には、100軒以上の石材店が。
中でも灯籠を始めとする、彫刻加工が52軒で、その数、日本一。
始まりは、徳川家康が生まれたのとほぼ同じ。
当時の城主、田中吉政が城の石垣などを整備するため、
優秀な石工を呼び寄せた。
そのまま、この地に残った石工たちは腕を磨き、
岡崎の石製品は、県を越えて、
世界文化遺産「日光東照宮の石灯籠」を始め、
各地に岡崎みかげの作品が。
なのに、地元の人に聞いてみても…、
地元の人「石?なんっすか石って。岡崎みかげ?聞いたことない」
地元の人「石が有名なの?知らなかった」
そこで!地元でも知られていない、縁の下で支える日本一。
岡崎みかげと伝統の技術をPR!!
まず城島と達也は、市内の1/3の石材店が集まる石工団地。
中でも腕利きの職人がいるという、灯篭の専門店へ。
そこには、灯籠の上に、石の玉をくわえた獅子の像が!
城島「外から取れない!後から石の玉を入れたんじゃない」
職人「これは大きな石を削って、口の中に玉を残すんです」
つまり、元々は大きい石。それを少しずつ削って作ったもの。
城島「気が遠くなる作業…」
DASH島の石橋づくりで、日々、石を削り、
加工したからこそ分かる難しさ。
そして、これを作った方が、石工一筋37年。
全国で100名あまりしかいない、
国認定の石工マイスター・鳥居雄司さん。
達也「今どんな作業を?」
鳥居さん「火を入れる部分の最終的な仕上げ作業」
取り掛かっていたのは、灯籠の火を灯す場所、火袋の“透かし彫り"。
岡崎の石工たちが技を競い合う中で、様々な模様が生まれたという。
細工を施すことで、趣のある灯りに。
様々な細かい細工を可能にしたのは、
岡崎産の御影石ならではの特長が…。
鳥居さん「石にねばりがある」
城島「ねばり?石にねばりがあるんですか?」
外国産の御影石と比べてみると、
見た目にも石の目が詰まって、密度が高いことが分かる。
さらに、それぞれ石の板に同じ重りを乗せてみると、
わずかな差だが、岡崎みかげの方がしなっている。
鳥居さん「石は硬すぎるとポキっと割れやすい。
ねばりがあると割れにくい」
その独特なねばりで、植木鉢やコースターなど加工品も様々だが、
達也にはPRの方法、すでにイメージが。
達也「(岡崎みかげ石)水辺で投げたら、すごい跳ねそう」
それは、無人島・DASH島での数少ない遊び、“水切り"。
石を投げ、水の上を何回跳ねたかを競う、原始的な方法だが、
達也「やっぱ平らで丸い方がいいんだな」
大事なのは石の形。
自分なりの跳ねる石を探した経験のある人も、多いはず。
調べたところ、宮城県で毎年開催される全国大会。
「全日本石投げ選手権大会」での過去最高記録は18回。
だが世界記録は、アメリカのシュタイナーさんが叩き出した88回!
達也「燃えてきた!岡崎みかげで記録作ろう」
今回は巨大化ではなく、目指すは究極に跳ねる水切り石!
岡崎が誇る石と伝統の技術で、世界一跳ねる水切り石を作ってPR!
名乗りを上げたのは、鳥居さんを始め、技を受け継ぐ男たち。
岡崎市の記念碑を数々手がけた一級技能士・楠名さん。
仏像など彫刻品を手がける国認定の伝統工芸士・戸松さん。
これまで作った墓石は100以上・研磨技術は超一流・鈴木さん。
モダンなテーブルなど、御影石の可能性を追求する・大島さん。
最年少にして、石工の技能大会で全国2位に輝いた、
石工マイスター鳥居さんの息子・輝彦さん。
早速、城島と達也は、表札やコースターなどに使う
岡崎産の御影石を材料に、水切り石づくり。
城島「やっぱり軽い方がいいね」
選んだのは、厚さ1cmの石材。これを、
刃のエッジにダイヤモンドの粒子が埋め込まれている、
ダイヤモンドカッターで成形していく。
達也はコースター同様、円形に。一方、城島は
城島「楕円形で指が引っかかって投げやすい形に」
仕上げは、ポリッシャー(研磨機)で表面をツルツルに磨きあげる。
城島「すごい綺麗!投げるのもったいない!」
さらに職人の手も借り、三角形やどら焼き型など跳ねそうな形を。
合計8種類。どれが一番、水を切って進むのか?
では、岡崎市内を東西に流れる乙川で試し投げ。
距離は50m。何回跳ねるか?まずは達也の自信作、円形から。
しかし、1回も跳ねずにそのまま水の中へ、ドボン…。
もう一度、投げてみても、跳ねたのは2回だけ。
DASH島の石でも、うまくいけば10回くらいは跳ねるが、
やはり石の形に問題があるのか?
続いて、指がよく引っかかる、城島の楕円形。
しかし、石は跳ねたものの右に逸れ岸壁へ。記録は4回。
その後も、様々な形を投げて試してみるが…、
城島「(88回は)難しいな」
一番跳ねたどら焼き型でも記録は、8回止まり。
しかし、城島、強力な助っ人をお願いしていた。
それは、9年前、その実力に驚かされた、
水切り界のレジェンド・森川ひろしさん。
20年近く、水切りを研究し、全国の子供たちに、
その面白さを広めて来た、第一人者。
城島「お久しぶりです!」
森川さん「どうも!」
と、到着するやいきなり!森川さんは無造作に河原の石を拾って
水切り披露!!
全員「おーーー!!!すげーー!」
投げた石は、水面を滑るように跳ねていく。
実は、森川さんには石の形以前に、伝えたかったことが。
森川さん「投げるコツがある」
まず第一関節を絡めるように持って回転を与える」
これは、フリスビーなどと同じジャイロ効果。
強いスピンがかかるほど、石の姿勢は安定し真っすぐ飛んで行く。
さらに、
森川さん「(入水角度は)水面に対して10度くらいがベスト。
モーターボートが水面を滑るのと一緒」
というのも、入水角度がないと、石は水面を跳ねずに
そのままズボッと沈んでしまう。
逆に角度を付けすぎると、水の抵抗を大きく受け、跳ね上がってしまう。
そこで、ベストな角度が10度。
20年近く水切りを研究して導き出した答えらしい。
そして、森川さんが見抜いた、TOKIOと石工で作った石の弱点。
それは…
森川さん「表面がツルツルの石は水が張り付く」
いわゆる表面張力。
水が接着剤のようになり物体をくっつける現象。
そんな表面張力を始めとする、水ならではの特性が様々影響し、
ツルツルの石の表面に、水が張り付いた状態となり、
跳ねようとする力を奪っていた。
と、名人森川さんはいう。
ならば、どうすれば…
城島「表面を磨かずに色んな模様を彫る?」
森川さん「(自然石も)平らではなく少し凹凸があった方が跳ねる」
ならば、石工たちの発想で、石の裏に様々な模様を施すことに。
達也は、福島DASH村で、そば粉などを挽くのに使っていた、
石臼の内側にあるジグザグと同じ溝を細工。
これなら、張り付く水を弾き飛ばしてくれるはず。
達也「あとは、これをカマボコ型に」
それは、名人が教えてくれた。
森川さん「このカマボコ型は、奇跡的なジャンプをする」
と、見せてくれたのは、名人の地元・荒川で見つけた、
下が平らで、上が盛り上がったカマボコのような形。
大事にとっておいた石だというが、幸い、
回収するスタッフもいるので、投げてみると…
全員「うおーーー!すげえ!上陸上陸!」
平らな面を下にして投げると、川幅50mをなんなく走破!
途中で陸に上がったので参考記録だが、それでも28回。
そこで、そんな奇跡を生むカマボコ石をモデルに、丸みを加工。
重さもほぼ同じ、水を弾きそうな計4種類を用意。
模様によって違いは出るか?森川さんに投げて頂く。
まずは、達也の石臼模様。
だが、重そうな音と共に水しぶきを上げて、記録は3回。
達也「回数行く時は音がないですよね」
確かに、奇跡を生むカマボコ石は、静かに滑るように跳ねたが、
石臼模様は、音も飛沫も大きかった。
水をかき出そうと加工した溝が、深過ぎたか。
続いて、大島さんが削った、うずまき模様。
達也「いまの何?うずまきみたい!」
スムーズな着水から、序盤はモーターボートのように、
理想的な姿勢で回数を稼ぎ、最後は水面を這うように進んだ。
ただし結果は、始めの10回はカウントできたが、
後半は水の上を滑っているだけなので、測定不能。
続いて、鈴木さんが削ったプロペラ模様。
城島「プロペラ、いいじゃないですか!」
記録は、奇跡のカマボコ石には届かなかったが、17回。
跳ね方を比べてみると、スタートの姿勢はほぼ同じだが、
プロペラ模様は、早めに角度が落ち、水面を滑るような姿勢に。
結果、失速、後半の伸びが足りなかった。
ラストは、楠名さんが削った、ゴルフボール模様。と、
城島「これが一番いいかも」
達也「止まるかなと思ってからが長かった」
跳ねる音も静かで、最後も粘って回数を伸ばした。
水面を小刻みに跳ねる姿を、カマボコ石と比べてみても遜色はない。
記録も並んで28回。
その理由、考えられるのは、
ゴルフボールの凸凹・"ディンプル模様"。
元々、ボールを遠くへ飛ばすため空気の流れを追求し考案されたもので、
競泳用水着にも、一部採用されている。
おそらく、ディンプル模様が水を弾く効果を生み、
なおかつ、水との抵抗も少ないことが、後半の伸びに繋がった。
世界記録を目指す石、これで決まった。
しかし、投げる石が1個だけでは、心もとない。
88回を超えるため、何回も投げられるよう、
出来るだけたくさん、カマボコ型の石を加工。
そして、ゴルフボール模様を刻むために使うのが、
字を彫るのに使う機械、サンドブラスター。
石にゴルフボール模様のゴムシートを貼り、その上から、
ノズルの先から噴射されるカーボン粒子を吹き付ける。
さらに、岡崎みかげのPRができるならと、
地元の石工たちも結集し、総勢17名。
全ては、自分たちが誇る石で、世界に挑むため。
完成した究極の水切り石は、合わせて39個。
達也「いい!これでいけるでしょ!」
その挑戦の舞台は、岡崎城から1km。
かつて東海道の要所で、日本一の長さを誇ったという、
矢作橋の麓、一級河川・矢作川。
しかし、記録に挑むためには、もう一つ必要なことが。
森川さん「時速100kmで投げられれば記録が出る可能性はある」
名人でも、そんなに速くは投げられない。
森川さんのような、サイドスローで、
石に鋭いスピンをかける、強靭な指。
しかも時速100km以上で、39回の連投に耐えられる強い肩。
そして、願わくば、地元愛知を愛する男。といえば、
愛知が誇る球界のレジェンド、元中日ドラゴンズ・山本昌!
独特なサイドスロー気味のフォームから繰り出される、
多彩な変化球と、球界一の回転数と称されたストレートを武器に、
2006年には、史上最年長41歳でノーヒットノーランを達成。
2年前の引退まで、中日一筋32年。
数々の最年長記録を更新してきた、この男が助っ人に!
山本「愛知で投げると言えば僕ですから」
山本は、このために2時間前に現場入りし、名人・森川さんと共に、
河原の石を100個以上投げ込み、みっちり練習済み。
応援に集まった、石工団地のキャラクター団吉くんと、
愛知のレジェンドに会えるとやってきた、
地元の小学生たちが見守る中、
山本は現役当時と同じように、マウンドをならし、集中。
ギネスのルールとは異なる環境。
これが吉とでるか、凶と出るか。
まず、第一投!石は上に大きく跳ねた。
森川さん「ちょっと上向きに角度が付きすぎてる」
スナップを利かせ、放たれた石の角度は45度。
そのため、ワンバウンド目で跳ね上がってしまい、結果は6回。
とはいえ、初速は時速107km、スピードは申し分無い。
そして、2投目。
山本「あー、弱かったかな」
スピンをかけた石は15度、ほぼ理想の角度。
だが、角度を意識しすぎたか、スピードが足りず、結果は13回。
今度は時速100km以上のスピード。かつ、角度は10度で。
3投目。スピードは時速104km、入水角度も完璧。
水面を滑るように進んで行ったが、3回目で大きく跳ね上がり、
結果、8回止まり。
原因は、広い川特有の川上からの強風。
水面は細かに波立ち、川の中央は、より荒れた波に。
その部分に、ちょうどバウンドして跳ねてしまった。
すると、名人森川さんが、監督のように歩み寄り…
森川さん「もっとサイドスローに変えてみて。もっと回転を強く」
山本「なるほど」
つまり、アンダースロー気味のフォームを修正し、
より現役時代に近い、サイドスロー気味に。
球界一の回転数を誇ったストレートのように、
石に強烈なスピンをかけることで、石の姿勢を安定させ、
水面の波をも蹴散らす作戦。
しかし、入水角度10度、時速100kmを超えるスピード、
そして回転数と、3つの条件を同時にクリアするのは容易ではない。
39個中37個を投げて、最高記録は13回。
しかも、距離を伸ばそうと選んだ矢作川。その川幅80mの半分、
40mあたりまでしか、届いていない。
山本「悔しいな…」
でも、なんとしても岡崎の石工たちの想いに応えたい。
岡崎の石のすばらしさを子供たちに伝えたい!
と、その時。
城島「風が弱まった」
そこを狙って、38投目。
全員「おーーー!すげえ」
城島「今、何回いった?」
現役時代を彷彿させるフォームから、狙い通りの入水角度で着水。
序盤は滑るように小刻みに回数を稼ぎ、
途中、波で跳ねてしまったが、鋭いスピンを掛けられた石は、
再び姿勢を取り戻し、理想的な10度を保ったまま進んで行く。
だが跳ね上がったせいか、後半失速してしまい、結果36回。
とはいえ、対岸まであと10m、およそ70mを走破!
そして、これがこの日の最高記録となった。
惜しくも世界記録更新は出来なかったが、
愛知が誇る球界のレジェンド山本昌と、
加工しやすい岡崎みかげの素晴らしさ、子供たちには届いたはず。
これも、石を愛する職人の技術があってこそ。
灯籠を始め、岡崎の石製品はさまざま。みなさまも是非。
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