登り窯完成



一の間がようやく完成し、次に取り掛かるのは二の間と三の間。二の間と三の間は、ためた火で焼くため内部の炎が均一に上に上がらなければならない。そのためには、炎の流れを安定させる均一なかまぼこ型の屋根にする必要がある。はじめにかまぼこ型の木枠をつくり、その上にレンガをのせ、全て敷き詰めれば木枠を外す。同じように三の間の屋根もつくれば二の間、三の間の完成。

次は正面の焚口づくり。焚口が大きすぎると窯内の温度が上がらないため、小さな隙間もレンガを削って埋めていかなければならない。ひとつひとつの隙間に対して、ぴったり合うレンガを加工し、当てはめていく。隙間がしっかり埋まれば焚口の完成。

登り窯づくり最後の工程は煙突づくり。まず煙突の鉄枠をたて、その内側にレンガを積み上げていく。最後のドラフト(風向調節口)もつくり、4m以上の高さまでレンガを積み上げてれば煙突の完成。しかし、無事に煙突から煙が出なければ登り窯完成とは言えない。内側の乾燥も兼ねて登り窯を空焚きする。すると、一の間、二の間、三の間と煙が充満し、最後には煙突からモクモクと煙が吐き出された。そして、長きに渡った登り窯づくりがようやく終了となった。