2012年10月9日放送

命綱ひとつで木と向き合い、感謝の気持ちを忘れない人がいます。
空師 熊倉純一さん
空師とは、高い木に登り、幹や枝を伐り出す職人の事。
伐り出した木は、板や柱に生まれ変わります。
それゆえ丁寧な作業が必要とされます。

「一本一本違うんで、その木それぞれの個性を活かして木材にして、
伐ったあとのその木の“第二の人生”をちゃんと活かしてあげるように」

伐り方ひとつで、木材の価値が変わるため、
「どう伐るか。」そこに空師としてのやりがいがあるのです。

「木には寿命があると思います。「今までお疲れ様でした」という気持ちで
「いい柱に、いい板に伐らせていただきます」と心の中で思ってます。」

良い材木に仕上げたい。
そう願い、自分に言い聞かせている言葉… それは…

「木を識る心は おのれ自身を識る心である。」

何かに思いをはせることは、自ずと自分自身をも識ることになるという意味。

「木の事を考えて、感謝してやっているんで、木のほうもわかってくれて、
「お前にだったら伐られてもいいよ」って言っているのではないかと思います。」

人と木が共に生きる。
そう思い、今日も木と向き合います。