放送内容

2017年7月18日 ON AIR

子どもに大人気の超危険な生物

子どもに大人気の超危険な生物。
草むらや公園の花壇でも良く見かけるその生物は...カタツムリ。
世界中から観光客が集まるハワイでは、カタツムリは危険生物として恐れられているという。


特に、ハワイ島にはカタツムリにより身体にダメージを受けた人が数多くいるという。
一体、何が起きているのか?


" ハワイでカタツムリは『危険生物』"


仰天スタッフはハワイ島へ向かった。
ハワイ島の東部にある町、ヒロ。


早速、町の人に聞いてみると、
やはり皆、カタツムリは危険生物だという。


ハワイ島でツアーガイドをしているショーン・ピラさんも
ツアーのガイドを行う時は観光客にも危険だという事をアナウンスしている。


まずはショーンさんの案内でカタツムリを探しに行く事に。
向かった先は町のメインストリートから少し離れた住宅街。
するとすぐに見つかった。日本のカタツムリとは大きさも種類も全然違う。


これはアフリカマイマイと言う種類のカタツムリ。
殻から顔を出すと、殻だけでなく胴体もかなりの大きさ!
顔を出したところを計ってみると...8㎝はある。


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主に日本に生息する「セトウチマイマイ」は約3㎝。かなり大きさが違う!
このアフリカマイマイ、かつては東アフリカのモザンビーク付近にしか
生息していなかったが20世紀に入り、食用として世界中に輸出された。


各地で養殖されていたが、養殖場から逃げた数匹が野生化しその土地に根付いたという。
一体このカタツムリのどこが危険だというのか?


" 原因は体内に潜む寄生虫だった"


ひとりの女性を訪ねた。ジャウジー・カンさん。
彼女が大変な目に遭ったのは、3年前の2014年のこと。


初めは体中を虫が這っているような不快感から始まり
やがて激しい頭痛や体の痛みに変わっていったという。


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その時、彼女は原因が分からなかった。痛みは時間が経つと共にどんどん酷くなり、
ただ水に触れるだけでも痛みが走るように。
シャワーはおろか、手を洗う事さえ出来なくなった。


やがて右半身が麻痺し、ベッドから起き上がれないほどに症状は悪化。
そして、病院でとんでもない事が判明した。


彼女の脊髄液から出てきたもの...それは「広東住血線虫」という寄生虫。
「広東住血線虫」は通常、ドブネズミやクマネズミの肺動脈に寄生している寄生虫。
肺動脈に寄生した線虫はネズミの肺動脈で卵を産みふ化させる。
ふ化した幼虫は肺から気管、食道を経て胃腸を通り、糞と共に体外に排出される。


その糞をアフリカマイマイが食べる事がある。糞を食べると線虫も体内に取り込まれる。
その線虫が寄生したアフリカマイマイを人間が食べてしまった場合、
ネズミと同じように胃壁を破り、脊髄へ侵入し、髄液を通り、脳へ向かう。


脳で線虫は死ぬのだが、人の体は虫の死骸を異物とみなし免疫細胞が過剰に働いてしまう。
すると、髄膜脳炎を起こし、激しい頭痛、手足の痺れ、嘔吐やめまいを引き起こす。


このアフリカマイマイ、台湾などで食用として食べられているが、
寄生虫は100度で3分以上加熱し調理すれば死滅するため、食べても問題はないという。


" 粘液が付着した生野菜も危険"


しかし彼女はアフリカマイマイを食べた覚えなどない。
原因はアフリカマイマイの体から出る粘液だった。
この粘液の中にも寄生虫がいるという。


彼女は近くの市場で購入したばかりの新鮮なレタス、トマトやレモンなどで
スムージーを作った。
そのレタスの葉に、アフリカマイマイが這った粘液が付着していたと思われた。


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ようやく原因は判明したが、この寄生虫には特効的な医療法は無いという。
寄生虫の死骸が体から出るのを待つしかない。


シャウジーさんの場合も、痛み止めの点滴を受け、
血液検査で線虫がまだ体内に残っているかチェックをしていくしかなかった。
結局、シャウジーさんは11日間入院することになった。


現在、アフリカマイマイは、有害動物指定を受けており、生きたままの持ち出しはできない。しかし...この「広東住血線虫」遠い異国だけの話ではない。


現在、日本各地の港で捕獲したネズミから広東住血線虫が見つかっている。
2000年には沖縄の米軍基地に住んでいた少女が、アフリカマイマイから感染し、
死亡するという例も。


実は戦前、食用として沖縄に輸入されていたアフリカマイマイが今では野生化し、
民家の草むらや畑などを探せばすぐに見つかるほど繁殖している。


コンテナに紛れ込んだネズミにより、今後...全国から感染者が出てもおかしくない。
生野菜はしっかり洗って食べて下さい。

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