少女を脅迫したのは誰だ!?
2014年。
恐ろしい出来事が中学2年生の女の子に起きた。
学校では運動部に所属しスポーツ万能。明るい性格で友達も多かった。
そんな彼女に...初めて彼氏ができた。
彼女は嬉しくてSNSにツーショット写真を載せた。
それから1週間ほどして、母親あてに匿名の手紙が届いた。
そこに書かれてあったのは...SNSに2ショット写真を載せるなんて、他の生徒を刺激する、
中学生にスマホは早いんじゃないか?というような内容だった。
その夜、母親は手紙のことを夫に相談。
すぐに父親は娘に、SNSに写真を載せるのを止めさせた。
しかしその1週間後...今度は少女宛に手紙が届いた。
「キミもあいつと付き合った時点で終わってるね。前に付き合ってた子と別れてからキミと付き合うまでに色んな女子に告白しまくってたのは知ってるかな?」
それは男子のような口調で書かれていた。
少女は、誰かがイタズラしているのだろうと気にしないようにした。
しかし、さらに1週間後...またも、手紙が届いた。
「とにかくおれたちはアイツが女とうまくいくのがおもしろくないだけだから。アイツと縁切らないならキミも一緒だから」
彼と別れろ、というはっきりとした要求。
さらに...脅迫めいた内容のものもあった。
犯人は近くにいる...不信感が募る
さすがに不安になり、両親は部活で付き合いのあった先生に相談することにした。
しかし、注意深く見守るとだけ言われ...その後も、手紙は届き続けた。
中には...女友達にしか言っていない内容のものも書かれていた。
もしかして...女友達の中に犯人が?
そう思うと、誰も信用できなくなった。
彼女は友達のノートの筆跡と手紙の筆跡を見比べたが、
誰の字かわからず届く手紙はエスカレートしていく。
恐くなった彼女は、彼と別れた。
しかし、その後も手紙は届き続けた。
しかも、自分の顔写真が、刃物で切り刻まれているものまで。
だれが?なぜ?なんのために?少女の心は、限界だった。
両親の前で訴える少女...それは娘が両親に初めて見せた悲痛な叫びだった。
そんな娘を守るため父親は行動を起こした。
探偵に依頼し、徹底的に調査
父親はまず、顔の広い仕事仲間に相談。
すると...学校のいじめなどを専門にしている探偵を紹介された。
すぐに探偵事務所へ向かった父親。
実はこの探偵、学校で起こるいじめ問題に精通し、過去200件を超えるいじめ調査を
行ってきた人物。
まず探偵は、少女の同級生の中で疑わしき人物を
リストアップすることにした。
付き合っていた彼の元カノなど、少女の証言をもとに同級生4人に狙いを定めた。
さらに探偵は手紙の内容から、SNSに執着している点に注目した。
そこで、SNSを見返してみると...ある法則があった。
実は、全ての手紙の消印は彼女がSNSになにかを投稿した翌日になっていた!
そこで探偵は彼女にわざとSNSに投稿してもらい、翌日の早朝から複数の調査員を使って、
疑わしき同級生が郵便物をポストに投函するかどうかを見張った。
しかし...その日、ポストに投函した生徒はいなかった。
ところが...翌日、手紙は届いていた。
マークした4人の犯行ではないのか?
探偵は、再びSNSに投稿してもらい、他の同級生も同様に調べていった。
ひと月が経過し、探偵は既にクラスメイトのほとんどを調査していた。
だが誰も手紙を送った形跡がない。
一方でSNSの投稿の翌日には、しっかり手紙が届く。
そんなときだった。
実は探偵は、手紙の消印からもう一つの法則を見つけていた。
犯人は驚きの人物だった
それは...消印の表示時間。
この町の郵便局では消印は8時から12時、12時から18時、という2区分で押される。
今回の手紙は全て、8時から12時の消印が押されていた。
そこで探偵たちは町中のポスト全てに、早朝、手紙を投函。
どのポストが、8時から12時の消印が押されるのかを調べた。
すると、該当したポストはなんとひとつだけだった。
そこで少女にSNSに投稿してもらい、探偵はそのポストを見張った。
すると...早朝、ポストの前に一台の車が。
車から降りてきたのは、大人の女。
なんと犯人は...元々調査をしていた彼の元カノ...の母親だったのだ!
元カノの母親は小走りに郵便ポストへ。
この時、洋服の袖で手紙を挟んでいた。それは指紋がつかないようにするためなのか...。
その後、この映像は証拠として警察へ提出され、母親は脅迫罪で起訴された。
犯行理由は、娘が彼からフラれてしまい、
傷ついた我が娘を思っての行動だったという。
あまりに身勝手な理屈...被害にあった少女の父親はこの行動について、
子を持つ親として、全く理解できないと語っている。
逮捕された母親は裁判で懲役6か月、執行猶予4年の判決が下った。
そしておよそ700万円の慰謝料を支払うことになっている。