インフルエンザやノロウイルスにしょっちゅうかかる芸人
インフルエンザやノロウイルスにしょっちゅうかかってしまう...
そんな信じられない芸人がいる。
彼の名は、山本ズバーン(29歳)。
「ヤマダイラー」というコンビで活動している芸歴8年のお笑い芸人。
彼によると生まれてからずっと風邪をひいているような感覚を味わっているのだという。
山本は、両親と4つ上の姉との4人家族。
子どもの頃...姉弟は2人揃って病弱でしょっちゅう風邪をひいていた。
治ったと思っても、すぐに熱が出る。
毎週のように、風邪をひいている状態が続いた。
何でこんなに体が弱いのか?
病院へ行っても...やはり診断は風邪。
そんな頃だった...姉がこれまでにない高熱にかかり、すぐに救急病院へ。
詳しい検査の結果、医師は思いがけないことを口にした。
医師「兄弟がいたらすぐに連れてきてください」
そう言われ、山本も検査を受けた。
検査の結果、山本を苦しめている原因が「カルタゲナー症候群」である事が判明する。
39度を超える熱が月に数回も
カルタゲナー症候群とは、体内にある線毛が正常に機能しないために
様々な症状を引き起こす先天的な遺伝疾患。
線毛は細胞から毛のように生えているもので、その大きさは直径わずか1000分の1ミリ。
肉眼では確認できない組織だが、空気中に飛び交っている無数のウイルスや細菌が
体の中に入ってこないようにブロックし、体を守るとても重要な働きがある。
気道に入った異物はまず、粘液がキャッチ。
次に線毛が働き、異物を痰などにして体の外へと押し出す。
しかし、カルタゲナー症候群の場合、線毛の働きが不十分のためウイルスや細菌に
感染しやすくなるのだ。
約1万5000~4万人に1人と言われる稀な疾患。
姉も山本と同じく線毛が動かない状態だった。
山本の場合、両親ともに線毛が動かない疾患の遺伝子を保有していたので、
子ども達は4分の1の確率で発症してしまった。
明確な治療法はなく、外出時は細菌やウイルスから身を守るためマスクは欠かせない。
それでもすべての異物を防ぐことは出来ず、
インフルエンザやノロウイルスなどが流行すると、ほぼ確実に感染したという。
体はいつも微熱でダルい状態。
さらに、カルタゲナー症候群の特徴である慢性的な副鼻腔炎にも苦しんだ。
吸引機で鼻水を吸い取る毎日。
そして何よりつらかったのは夜だった。
細菌やウイルスが1日分蓄積するせいか、毎晩のように高熱が出たという。
カルタゲナー症候群の特徴「内臓逆位」とは
そんな彼の体にはさらに驚きの特徴が。
健康診断でのこと...なんと心電図に反応がない!
本来左にある心臓が山本の体の場合...なんと右にあったのだ!
実は、山本の体は内臓の位置がすべて左右反対になる内臓逆位だった。
これもカルタゲナー症候群の大きな特徴の1つ。
毎日、夜になれば高熱が出て、薬で熱を下げる日々。
しかし彼は中学に上がると、運動部に入りたいと考えていた。
医師に相談すると、むしろ適度な運動は体にいいのだという。
山本は、中学でバドミントン部に入部。
カルタゲナー症候群による熱や鼻づまりなどはあったが、ガンガン激しい運動をした!
体は常に風邪っぽいにも関わらず、毎日精一杯練習に励んだ山本は
なんと、県ベスト8の成績を収めるまでに!
さらにその後、高校にはスポーツ推薦で進学!
専門学校ではなんと都大会で優勝!!
病に苦しむことはありながらも、前向きに過ごしていた山本は、その後芸人の道へ進んだ。
そして今、感染症にかからないようにするため山本は驚くべき生活を送っていた。
感染症予防のため、今でも舞台と家以外は常にマスク。
出番の直前まで外さない。
そんな山本は舞台にベストの状態で上がるため、自宅では体調管理を徹底。
まず感染症予防のため、2台の加湿器と空気清浄機は基本付けっ放し。
そして鼻洗浄用の道具は常備し、外出から帰ると必ず鼻を洗うようにしている。
さらに、痰を出しやすくする薬を1日3回服用。
こうした処置を毎日してなんとか高熱が出ないように常に気を付けている。
カルタゲナー症候群は根治せず、一生つき合っていく病。
山本は、前向きに病気とつき合っていきたいと語っている。
もしほぼ毎日のように熱が出たり、風邪などをひく人は、1度検査を。