亡くなった母からの不思議な合図
去年12月。東京、台場。
職場で出会い、2年半付き合った大好きな彼にプロポーズされた女性。
この1週間後、彼女は不思議な心霊体験をする!
女性の名前は、福島ゆかさん(25歳)。
東京都日野市で農家を営む両親の間に生まれた、4人兄弟の長女。
プロポーズ翌日、ゆかさんの父にも2人で報告。父も喜んでくれた。
実はゆかさんの母親は、13年前に亡くなっていた。
彼女はそれ以来...妹たちの世話や、料理、洗濯、掃除などの家事をこなし、
学校が終わると、父親の農作業を手伝ってきた。
普通の同級生たちとは違う、大変な生活だった。
そんな事もあり、この結婚は本当に夢のようだった。
婚約者と結婚式の打ち合わせも幸せな時間。
結婚式はドレスにして、前撮りで着物を着ることに。
そんな打ち合わせから、ゆかさんはあることを思い出した。
生前、母が使っていたタンスに母の着物があったような気がしたのだ。
父に聞いてもわからないというので、次の日曜日に実家へ帰りタンスを見てみることに。
実はその日曜日は、母の命日だった。
そして12月9日、日曜日。
これまで開けたことがなかった母のタンス。
そこにあったのは黒の留め袖。さすがに新婦が着るものではない。
そのとき、あるものが見つかった。
それは...両親の婚約指輪。
この時までどこにあるかわからなかった指輪だった。
母の突然の病...父と交わした約束とは
1989年。平成元年。
父、福島幹男さんと母、純子さんは見合いで知り合い婚約。
その時、オーダーで作ったという婚約指輪はきらびやかなものだった。
実は母、純子さんは由緒ある名家で育ったお嬢様。
しかし農家に嫁ぐと...毎朝早くから起きて、家事を行い...農家の仕事を遅くまで手伝う日々。
近所でもよく働くお嫁さんとして評判だった。
その後、4人の子宝に恵まれてからは...家事に農作業、育児に追われる毎日。
そんな忙しい日々の中でも風邪ひとつ、ひいたことがない元気な人だった。
しかし...それは突然だった。
急に胃の痛みを感じた純子さん、病院で検査すると...胃にガンが見つかった。
初期症状が現れにくい胃ガン。進行していても無症状のまま経過してしまうことが多い。
この時、彼女のガンのステージは...最悪のステージ4。
胃ガンは早期に発見し治療を行えば多くの人が全快するが、ステージ4の場合、
5年生存率はわずか7%と言われている。
このとき、純子さんは34歳。
4人の子どもたちは幼く、まだまだ手のかかる時期だった。
幹男さんも妻の病気をどうしても受け入れることができず、
知人から聞いたり、自分で調べた病院を何軒も回った。
しかし...どの病院でも答えは同じだった。
覚悟を決めた母、純子さんはあることを始めた。
誰でも洗濯機を回せるように使い方を書いたメモや、子どもたちに料理を教え...
家が暗くならないように柴犬を飼い、「ギン」と名づけた。
また、幹男さんのために、卒業式や入学式に必要なものや手続きの方法など、
子どもたちのこれからの事がビッシリと書かれたノートを作成。
そして、ノートだけでなくこれからの子どもたちのことについて2人でたくさん話した。
1人で子どもたちを育てられるのか不安がる幹男。
そんな夫に、純子さんは「いつも見ているから」と言った。
幹男さんはそんな妻に「見ているのがわかるように合図を送って」と伝えると、
彼女は笑顔でうなずいた。
そして2005年12月9日。3年の闘病の末、純子さんは息をひきとった。
母の命日に起きた奇跡とは
それから、ちょうど13年...母の命日に出てきた、着物。
そして、どこにあるかわからなかった婚約指輪。
幹男さんは思った...もしかしてこれが、純子からの合図なのか?
そんな時だった!突然娘のゆかさんを居間に呼んだ幹男さん。
あわててやってきたゆかの目に留まったのは...不規則に動く時計だった!
その時、ゆかさんが撮影した映像には、
母の命日に、およそ20分間、不規則に動き続けた時計が映っていた。
幹男さんは確信した...あの時の約束を守って、母さんが合図を送っているんだ!と。
それから3か月。
あの時、不規則に動いた時計は正常に動いている。
母の命日に起こった不思議な現象。きっとこれからも、天国で家族を見つめ続けていく。