放送内容

2019年7月 9日 ON AIR

フレンドリー社長のまさかの大失敗

静岡県菊川市で世にも恐ろしい集団めまい事件が起きた。


この街で住宅会社を経営している斎藤元志さん。
社員数は25人。女性社員が多く、アットホームな雰囲気の会社。


社員たちからもかなり慕われているという斎藤社長。
その理由のひとつに夏はバーベキュー、冬は鍋など、社長自らが社員たちに手料理を振る舞い、親睦をはかっていることがある。


しかしこれがとんでもない事件を引き起こした。


2013年3月。
社長のもとにある荷物が届いた。


大きな発砲スチロールに入っていたのは...新鮮なホタテとつぶ貝。
数日前、社長は仕事の合間にみんなで食べようと食材をお取り寄せしていたのだ。


そして昼休み...斎藤社長は、ひとり準備に取り掛かった。
ホタテはヘラで、つぶ貝は斧で殻を割り、薪ストーブの上のスキレットで優雅にクッキング。


ホタテはバターと醤油で味付け、つぶ貝は照り焼き風に。
そして、おいしそうでオシャレな料理が完成した。


社長の手料理はいつも社員たちに大好評。みんなあっという間に平らげた。
しかしその後、異変が起きた。


斎藤社長が休憩していると...突然、1人の女性社員がめまいを訴えた。
その後、社長も同じようにめまいが。


まさかと思った社長...しばらくすると次々に同じ症状を引き起こす社員たちが。
その時、車で外出していた社員もいた。


なんと社員のおよそ1/3が、同じ時間帯にめまいを引き起こしていたのだ。


調理中の大きなミスが原因だった


まずい...あの料理が原因かもしれない。
責任感を感じた斎藤社長は救急車を呼ぶ前にとりあえず、ネットで検索した。


調べると、つぶ貝の唾液腺には貝毒がある事がわかった。


テトラミンと呼ばれるその貝毒には視覚障害を起こす特徴があり、
めまいやものが二重に見えることがある。


つぶ貝の唾液腺は、身の真ん中に包丁を入れて開くと左右にあり、
手で簡単に取り除くことができる。
斎藤社員は、この唾液腺を取らずに調理をしてしまっていたのだ。


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実はこのつぶ貝による食中毒は毎年数件起きている。
殻付きのつぶ貝を取り扱っているスーパーでも特に唾液腺に関する注意書きは書いていない事もある。


このテトラミン、症状が出るのも早いが回復するのも早く、重症化することはほとんどない。社長も社員も数時間で回復するという情報があったため、病院にはいかなかった。
そして3時間ほどで症状は回復したという。


つぶ貝を自分で調理する場合は必ず唾液腺を取り除いてから食べてください。

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