放送内容

2019年8月27日 ON AIR

なぜ女性は1500万円失った!?

ある女性が自分では何も決められなくなり...地獄の借金苦に堕ちていく。


2013年7月、名古屋。
アルバイト店員をしていた女性、リカ。


まじめで責任感がある彼女...実はこの春、有名大学を卒業したばかりだったが、
定職に就かず、アルバイトに明け暮れていた。


父親にも定職に就くように言われ、将来の不安を感じている...そんなある日。
あるネット広告が目にとまる...それは「占い」。


軽い気持ちで行くと...そこは四柱推命という占いをやっていた。
そこで占い師に「あなたは『水』だから、人に流されることが多いんじゃない?」と言われたリカ。


四柱推命という占いには『五行思想』という考えがある。
五行思想とは、万物が「木・火・土・金・水」の5つの元素でできているという考え方。


生年月日から人は皆この5つに分けることができるとされ、
この五行思想などを複雑に組み合わせた四柱推命は、生まれ持った性格や運勢、相性などがわかるとされている。


更に占い師は、4月に悪いことがあったのではないかとリカに聞いた。
確かに4月は就職できないまま大学を卒業し困っていた時期。


色々と上手くいかなかったのは、自分の努力が足りなかったせいではなく、さらに「今を我慢すれば必ず運気は上がる」という。
リカは占い師の言葉を聞いて何か明るい未来が待っているような気になれた。


占いへの信頼が深まったきっかけ


この頃、彼女には付き合い始めたばかりの彼氏がいた。
話がうまく、知り合いが多い彼。
もしかして遊ばれているんじゃないか?そう疑っていた。


バイト先の仲間は彼のことを相談するほど親密の仲ではない。
そこで...また占い師のもとへ。
占いによると、四柱推命では『土』に分類される彼は『水』であるリカとは相性が悪いのだという。


がっかりするリカ...しかし占い師からは柔軟性のある『水』のあなたが彼に合わせてあげることが大事だというアドバイスを受けた。


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とりあえず、今は彼の事を信じてみようと思った。


それからすぐの事...彼が自分の携帯電話が鳴っているのに出ないという事があった。
なぜかと問いただすと、新しい彼女ができたと言っているのに前の彼女がしつこく電話してくるので出ないようにしているのだという。


彼の一言にリカは嬉しくなった...彼は自分のことを大切にしてくれている。
この出来事で占い師への信頼は高まり、ちょっとしたことでも頼るようになっていった。


だがそれから数か月経ったある日。
バイト先の仲間が自分が占いの店に入っていく所を見たという。


思わず占いではなく本屋にはいったのだ、と言ってしまったリカ。
私は占いに通っているキャラではない、外ではしっかり者で通っている。
占いに頼っているなんて知られなくない...そう思った。


1分300円の「電話占い」にハマる


そんな時、あるものが目にとまった...それは『電話占い』。
実際に会わずに占いなんて、本当に出来るのだろうか?
半信半疑だったが、とりあえず電話をしてみた。


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選んだのは、「ヒビキ先生」という優しそうな女性の占い師。
さっそく彼との事を占ってもらった。
電話先で何か音がする...どうやら前の占い師同様、生年月日などの情報から占いをしているようだった。


すると占い師は...明日は恋愛運が最高なので必ず彼と会うべきだと言った。


更に...
「彼と会う場所は自宅から西の方角が良い」、「ピンクの物を身に着ける」といったものや、
運気が上がる時間と取るべき行動、心構えに至るまで事細かにアドバイスしてくれた。


あっという間に感じたが、1時間も話していたリカ。
鑑定料は1分300円なので、合計で1万8千円にまでなっていた!!


だが、どんな質問にも全て的確に答えてくれるように感じた。
翌日、方角や時間、身に着けるものなど全て占い師の指示通りにして彼と会った。
この出来事に、リカは料金以上の満足感を得た。


そして数日後。
デートの約束をしていたある日、待ち合わせ場所に向かおうとしていると彼氏からメールが。
急にバイトが休めなくなったのだという。


ドタキャンにがっかりしながら部屋へ戻るリカ。
そんな時、ふと占い師の言葉を思い出した...『土』の彼と『水』の自分は相性が悪い。
そう思うと不安で押しつぶされそうになり、思わず「電話占い」に相談した。


何をするにも「電話占い」に依存


電話先の「ヒビキ先生」によると、恋愛運はまだ上昇している状態だという。
この言葉にホッと安堵するリカ。


その後も、困った事があるとすぐに電話占いに頼った。
バイト先で嫌な事があると、『本当に今のバイトでいいのか?』占い師に電話。
親から小言を言われると...『親にわかってもらうにはどうしたらいいのか?』すぐに占い師に相談。


そして、こんなことも...。
彼氏に他の異性の影が見え始めたと占い師に言われたリカ。
このように彼女にとっていい答えが返ってこない時もあった。


すると...また電話占いサイトを見て他の電話占い師に頼る。
納得のいく回答を得られないと、満足するまで数人の占い師を渡り歩く。
それは何時間にもわたり、朝までかけ続けることもしょっちゅうあった。


そう...リカは「占い依存」という自分では何も決められない依存症になっていったのだ。


そんな彼女、この「電話占い」にかかる高額の料金をどう支払っていたのか?
実は彼女、幼いころから両親や祖父母にもらった祝い金などを全て貯金していて、その額は1000万円程になっていた。
だから高額な占いもできたのだ。


やがて、彼へ送るメールの内容も占いに頼るようになったリカ。
さらに占い師の勧めでなんと美容整形手術まで決断した!


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だが、ついにこの問題に直面する。
カード会社から「残高不足のため引き落とせない」という督促状が来てしまったのだ。


何かの間違いでは...すぐに銀行で確認したが、金はほとんど残っていなかった。
1000万という大金を僅か2年足らずで使い果たしたのだ。


だが、リカはお金が無くなる事よりも占いが出来なくなる事への恐怖の方が大きかった。
すぐに向かったのは...ATM。
別のクレジットカードでキャッシングして不足金を払い、また占い師に電話をした。


彼との関係を相談するために、彼と会わずに占いにあてる。
そんな矛盾した関係など上手くいくはずはなく...やがて彼から別れを告げられた。


借金地獄の彼女を救った出来事とは


こうなると占いの内容なんてどうでもよくなってしまったリカ。
とにかく話をしたい...話を聞いてもらいたい...そのよりどころを占い師に求めた。


その金のために水商売を始め...そこで稼いだ金もすべて占いにつぎ込む。
それでも借金は膨らみ、その金額は500万円。
使い果たした貯金も合わせるとなんと合計で1500万円に達していた!!


そして彼女を地獄から救う出来事が起こる。
ある日、キャバクラで接客をしていた時の事...疲れでボーっとしてしまい、客の話もうわの空だったため、その客を怒らせてしまった。


落ち込みはしたが...この時リカはある事に気が付いた。
男性客は話を聞いて欲しくて店に来る...自分も同じことを求め、占い師に電話をする。
だったら話を聞いてもらえるなら、占い師でなくてもいいのでは?


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すぐに彼女は、心理カウンセラーに連絡を取った。


カウンセラーに相談し、まず彼女が取った方法は占い師以外の知人に電話をかけまくる事。
すると、なんだか落ち着いた。
そして分かった...私はただ単に誰かと繋がっていたかっただけなのだと。


あれから3年...現在のリカさんは、もう占いサイトに電話をすることはなくなっていた。
現在、彼女は定職にもつき職場で知り合った男性と結婚。
借金も完済して新たな人生を歩んでいる。

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