日本テレビでは聴覚障害を持つ方への「情報バリアフリー」の実現に向けて、昨年12月より社内プロジェクトを発足し、最もニーズの高いニュース番組における字幕化を検討してまいりました。その成果として4月より「NNNニューススポット」(月〜日の毎日20:54〜)の字幕化を成し遂げ、民放でニュース番組に字幕をつける先駈け役を担いました。
そしてこの10月より、遂に本格的なリアルタイム字幕を一部ニュース番組(「NNNニュースダッシュ」)で導入する運びとなりました。
<字幕化番組>
「NNNニュースダッシュ」 11:30〜(月〜日の毎日)
<方法>
テレビ放送の音声を高速入力技術で文字データ化し、日本テレビが開発中の「リアルタイムキャプションシステム」(略称「リアルキャップ」)を通して、瞬時に文字放送用のデータに変換して放送する方式。
これにより日本で初めてニュースの全編字幕化を可能にします。
従来の方式(音声認識システム)とは異なり、スピードワープロ研究所の協力を得て、オペレーターの高速入力による聞き打ち入力によってテレビ音声を全編に渡り文字化し、それを日本テレビが開発中の「リアルタイムキャプションシステム」で放送用のクローズドキャプションに自動変換して放送する、全く新しい方式です。
<この方式のポイント>
*従来の音声認識システムでは、スタジオでアナウンサーが原稿を読み上げる場合などの限られた音声しか字幕対応出来ませんでしたが、中継先からのリポートや雑音や歓声の混じった音声なども、この聞き打ち入力によりほぼ字幕化できます。
*これにより従来では技術的に不可能であった、生放送への全編リアルタイム字幕化への道が開かれ、情報バリアフリーの実現に向けて大きな一歩を踏み出すことになります。特に生中継への対応が可能になるのが大きな特徴です。
<開始予定>
試験放送を9月から始めるべく準備中で、10月から本格放送開始の予定です。
<今後の展望>
当初は一部のニュース番組から放送を開始し、最終的には聴覚障害の方のニーズが最も高いとされるニュース番組の大部分をカバーしたいと考えています。が、全く新しい方式なので予測できない技術的障害や問題点が発生する可能性もあります。それらについては運用しながら克服し、広く意見を頂戴しながら、今後の導入拡大を検討させていただくことにします。
この文字放送を受信するには、文字放送(モジネット)内蔵テレビでご覧頂くか、一般のテレビやパソコンにチューナーを付けることによって見ることが出来ます。特別な手続き・申し込みは不要でアンテナも現在使用の物が使え、受信料は無料です。
スピードワープロ研究所会社概要 |
社 名 | : | スピードワープロ研究所(有) |
所在地 | : | 新宿区西新宿4−14−4 外山ビル7F |
連絡先 | : | 電話 03−3377−0099 / FAX 03−3377−1144 |
代表者 | : | 代表取締役 柴田邦博 |
設 立 | : | 1995年5月15日(資本金800万円) |
概 要 | : | 早稲田速記(学校法人川口学園)のワープロ事業部門から独立し、「スピードワープロ研究所」を設立。超高速入力用キーボード「ステノワード」の開発、実用化に成功する。オペレーターの養成事業と同時に、超高速入力事業を展開している。今回、同社が所有するキャプションセンター(渋谷区神山町)にて入力作業を行い、専用回線で日本テレビへ文字データを伝送する。 |
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