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これぞ●年後の私たちの世界!?
人間とAIが共存する近未来を描く
『ヒューマンズ』

高機能AIが搭載されたお手伝いロボットと人間が共存する
近未来を描くSFドラマ『ヒューマンズ』。
人間とAIは互いを傷つけあわず、本当に共存することができるのか?
すぐ近くまで迫っている私たちの未来を映し出す
『ヒューマンズ』の魅力をナビゲートしていく。

© Kudos Film & Television Limited 2015

これぞ私たちの●年後?
こんな未来がすぐそばまで迫っている

イギリスとアメリカの合作で制作された
SFドラマの『ヒューマンズ』。

人間そっくりな見た目で、
人間の数十倍の処理能力を持つAIが人間と共存する独特な世界観は
アメリカドラマっぽいし、

派手な演出ばかりでなく、
人間たち日常や感情を惜しみなく吐き出す描写はとてもリアルで、
イギリスドラマっぽい。

まさに、アメリカドラマとイギリスドラマの
いいとこ取りをしたようなドラマである。

第一話の始まりはほんわかしていて、
AIがいることで豊かになっていく人間たちの生活を描いている。
大変だった家事もAIにお願いできる、
子育てだってAIに手伝ってもらえるし、
学校の課題だって助けてもらえる。
今や一家に1台AIの時代だし、AIは家族の1人です、みたいな
雰囲気で進んでいくのだけど、やがてそれは違うムードに。

人間よりも優れるAIが存在することが、
誰かの反感を買うのだ。
そう、それまでその役割を担ってきた人の。

またAIだって、ただ従順に従うロボットというわけではない。
感情まで持つ人間に近いAIだっている。
AIが感情を持ち始めた時、人間とAIはどう共存していくのかー。

本作では、AIを家庭にもつ様々な家族の形が描かれる。
やがてそのバランスが崩れ、ストーリーは大きく別の方向へ
舵取りされていく。

AIがいると確かに便利かもしれないけれど、
夫婦間、親子間の関係が大きく変わってしまうことも事実。
これを便利ととるか、不便ととるか、
ドラマを見ていると近未来な世界観にワクワクする一方で、
自分ならAIのいる生活といない生活、
どちらをとるかと真剣に悩んでしまう。
つい考え込んでしまうほど、
リアルな未来像を描いているのだ。

まるで本物のロボット!
役者の演技力に拍手

本作に登場するAIたちを演じているは、CGではなくもちろん人間。
見た目は人間そのものなのに、きちんとロボットに見えるのが
不思議なところ。これぞ彼らの演技力の賜物だろう。

目の色が青いか青くないかぐらいしか、
人間とAIには違いがないのだが、
目の色のみならず、話し方、しぐさがすべて
アンナチュラル、オートマティカルなのだ。

人間とAI、役者陣の演技に注目して見てみても面白い。

“感情を持つということ”の切なさ

人間も、そしてAIも感情を持つから厄介になる。
感情がなければすべてがうまくいくのに…
人間の自分の役割を奪われていく恐怖心と、
どれだけがんばっても、
自分の欲しいものを永遠に手にできないAI。
人間だけでなく、AIにもまるで心があるようで、
胸が締め付けられるシーンが多数登場する。

またそれだけでなく、
AIが誤作動を起こし、狂うかどうかのきわどいシーンなども、
切迫しており怖いのだけど、彼らの気持ちがわかる部分もあり
切ない…。

SFドラマといいつつ、実は
“ヒューマン・ドラマ”でもある。

以上が『ヒューマンズ』の魅力である。

話しかけたら音楽を再生したり、
天気を教えてくれたりするスピーカーが各家庭に導入されつつある今。
お手伝いロボットが一家に一台になる時代も近いかもしれない。
そんな近未来を想像しながら見るとさらに面白いだろう!

(text:伊藤ハルカ)

伊藤 ハルカ

週に20本、年間1500本以上のアメリカドラマを観る、「日本一アメドラを観る女子」。「アメドラ界のデーブ・スペクター」を目指し、アメドラコラムニストとして幅広いメディアで活躍中。

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