ドストエフスキー  『愛を持ち続けた終のすみか』

(2003/11/26放送)


芸術の都、ペテルブルグ。
ここに、19世紀ロシアを代表する文豪、ドストエフスキーの家があります。
重い病を患い、ペンを持つこともままならなかったけれど、
小説への情熱は、抑えることが出来なかったドストエフスキー。


   
   
そんな彼を支えたのは、24歳年下の妻、アンナでした。
夜を徹して夫が紡ぎだす物語を、原稿用紙に、丁寧に書きとめていくのです。


   
   
教会の鐘が昼を告げる頃、子供部屋からは、人形遊びをする娘や、
元気に走り回る息子の声が聞こえてきます。
彼は思います。この世に、家庭の幸福に勝るものはない。
家族にはたくさんの幸せをあげたい。いつまでも―。


 
「必要なのは瞬間的な愛ではなくて、永遠に愛することである」
                      (『カラマーゾフの兄弟』より)


   
 
 
生涯、家族に変わらぬ愛情を注ぎ続けたドストエフスキー。
その美しい思い出は、
彼がどんな作品より、残したかったものなのかもしれません。


ドストエフスキー  『愛を持ち続けた終のすみか』

(2003/11/26放送)

今回の放送のBGM♪
「YOU'RE STILL HERE」 FAITH HILL
次回(12月3日)の『心に残る家』は
北大路魯山人「美を追い求めた家」をお送りします。
お楽しみに。