「温故知新」、それは歌舞伎が時代を越えて目指してきたものであり、本展のコンセプトでもあります。北斎や広重など先達から受け継がれた伝統の「型」を守りながらも、その中で最大限に傾(かぶ)いた歌川兄弟に、歌舞伎俳優としての挑戦が重なり親近感を覚えます。いつの時代もその時勢や需要に合わせて、自由に表現追及をする姿勢に普遍性が秘められているのだと思います。今回はそういった江戸と現代の架け橋となるべく、200年前のエンターテインメントをみなさまにイキイキとご紹介できれば幸いです。
中村七之助
「七之助が行く!平成浮世絵パラダイス」
3月19日(土)10:30~11:20(日本テレビ・関東ローカルにて放送予定)
中村七之助が、浮世絵の世界をわかりやすくご案内。幕末の浮世を写し出す国芳と国貞の作品を通じて、江戸の世界を体感してください。
今回このお話を戴いたのはソロ最新作のレコーディングの最中、ほぼ楽曲も出揃った時でした。
“古風な美術鑑賞と捉えられていた浮世絵を、Rockな視点も入れて斬新に見せたい”というオーダーを受けて、僕自身もとても興味を持ち、それならもう一曲書こうと思い最後の作品創りに臨みました。
国芳、国貞のワイルドで生々しくていやらしい、そして時におどろおどろしくも夢がある超Coolな作風にRock'n Rollを感じました。
すると直ぐにInspirationがわいてきました。あっという間にこの曲が完成した次第です。
“浮世”とは本来無常の世。一切の物は生まれ滅びて変化して常住ではありません。
喜怒哀楽、浮く時もあれば沈む時もあります。
それもまた良しとして人生を楽しもうではありませんか。
松本孝弘