世界まる見え!テレビ特捜部
07/12/17 OA
炎の嵐 驚異のファイアーストーム

火災現場で発生する、"炎の嵐"『ファイアーストーム』。
巨大な炎が渦を巻き、全て焼き払ってしまうと言う『ファイアーストーム』が、
もし大都市を襲ったらどうなってしまうのか?
これは、現実に起こりうる自然災害を、最新の科学データを元に
CG映像でリアルに描いた『災害シミュレーション番組』である。


近未来"20XX年"のオーストラリア東部の街、シドニー。
その年シドニーは、日中の気温が40℃にも達し、
雨の全く降らない"大干ばつ"に悩まされていた。
そして、空気の乾燥に伴う火災の危険性が非常に高くなった為、
屋外での火気使用が全面禁止となった。
だが、まさにその矢先。
シドニー郊外のキャンプ場で"焚き火の不始末"による火災が発生。
火は、オーストラリアに多く見られるユーカリの木に燃え移ると
瞬く間に勢いを増して行った。


"火災発生"の連絡を受けたシドニーの消防本部は、
現場近くの"民間消防団"に応援を要請。
その民間消防団の『女性消防士レスリー』は、ヘリコプターに乗り込むと、
炎の進行方向を見極めるべく上空から調査を開始。
地上で的確な消火活動を行うために、空からの情報が大切なのだ。


大きな森林火災を消火する場合、燃え広がる炎の手前で小さな火災を起こし、
木々を先に焼き払ってしまう<バックバーン>という消火方法が有効。
こうすることで、燃やす物が無いために、炎は燃え広がることが出来ず、
自然消滅するのだと言う。
今回は、レスリーの指示のもと、見事<バックバーン>が成功。
火災を無事、鎮火する事が出来たのだ。



ところが、それで終わりでは無かった。
火災は鎮火したものの、この時上空に<ドライストーム>と言う、
巨大な"雲"が発生。
これは、地表の暖かい空気と、上空の冷たい空気が、衝突することで生まれる雲。
雲の内部で、小さな氷の結晶同士がぶつかり合い"稲妻"が発生し、
それが乾燥した山林に落ちる事で、再び火災が発生してしまうのだ。


今回も、<ドライストーム>からの稲妻が"林野の至る所"に落ち始め、
複数の場所で火災が発生してしまった。
そこで、女性民間消防士のレスリーは、
再び<バックバーン>による消火を行うため、仲間と共に炎の林野へ入った。
だが、この時、予想外の事態が発生!
突然、風向きが変わり、炎がレスリー達を取り囲みながら迫って来たのである。
彼女たちは、周囲を炎で囲まれながらも間一髪、川に飛び込み、
身を守ることが出来たのだ。


ところがこの時、火災現場では"更に恐ろしい自然現象"が起こっていた。
落雷によって発生した複数の火災がつながり合い、その規模を拡大。
炎は2000℃もの高温の火柱になり、それが地球の自転の影響で渦を巻き始め、
ついに、強風を伴う巨大な炎の嵐<ファイアーストーム>に成長したのである。
そして<ファイアーストーム>は、一時間におよそ20kmのペースで、
じわじわとシドニーの中心部に向かって進行。
炎がシドニーの上空に及ぶと、瞬く間に市内の約3分の1が炎の海へと変貌、
必死になって消火作業を続けるが、 もはや人の手で火を消すことは不可能であった。


だが、この<ファイアーストーム>のもたらす影響は、これで終わりではなかった。
実は<ファイアーストーム>の強い風が、海の上の『湿った空気』を吸い寄せ、
その結果、シドニー上空に『水分をたっぷり含んだ巨大な雲』が発生したのだ。
そしてその雲から、誰もが待ち望んでいた『雨』が降ってきたのである。
大粒の雨は急速に地表を冷やし、<ファイアーストーム>の起こした火災を鎮火。
そう、自然が生んだ巨大な炎の嵐<ファイアーストーム>は、
自らの力で鎮火する事となったのである。


驚異の大火災<ファイアーストーム>。
オーストラリアの人々は、その、何時起こるかも知れない炎の嵐と戦うため、常に、戦いの準備と研究を続けている。


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