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驚きフナが川を上る!
#682 (2003/05/18)
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釣り堀によくいる魚がフナ。釣りでは「フナに始まりフナに終わる」という言葉も有る通りお馴染みの魚なのです。しかし食べることもあまり無いし、一般の人にはあまり馴染みの無いフナ。ところがその生態を調べると、次々と恐るべき事実が明らかになったのです!
矢野さんは関東でのフナの名所、茨城は霞ケ浦に向かいました。この季節はフナの産卵が行われるので、その場面を観察するためです。いたのはギンブナ。日本でも一番メジャーで、全国どこでも見かけるフナです。
ところが、フナはここでは産卵しないというのです。するのは霞ケ浦から数キロ離れた川とのこと。そこで矢野さんが待っていると来ました来ました。次々とフナが浅い川を体を横にして川上りしてきたのです!そして水草にフナは産卵しました。
普段はよどんだ水の中でじっとしているので、定住する魚と言うことから魚へんに“付く”という字の付いた“鮒”という漢字で表現されるフナ。それがどうして棲みかから離れた川で産卵するのでしょう?それは上流に上れば上るほど水温が上昇するからなのです。フナの卵がふ化するのは水温20度。これに対しこの時期フナの棲む場所の水温は15度。この5度の差を埋めるべく、フナは川を遡上するのです!
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フナは水温20度の場所を求め、川を上り産卵する魚だった!
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更に産卵するフナを捕まえてみると驚きの発見が有りました。なんとみんな卵を持っていて、みんなメスだったのです!なんと、日本にいるギンブナはほとんどがメスだというのです。いったいどうやってメスだけでギンブナは産卵出来るのでしょう?よく見ると、なんとヘラブナのオスが精子をまいているではありませんか。ギンブナのメスは、フェロモンを出してヘラブナやコイやドジョウのオスに精子を出させ、自分の卵に受精させます。しかしその卵は精子が進入しただけで勝手に細胞分裂を始め、精子は捨ててしまい、なんと卵から生まれるのは自らのクローンなのです!
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ギンブナはその大半がメス。しかもクローン増殖するのだった!
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しかし「目がテン!」は、苦心して幻のギンブナのオスを見つけ出しました。
自然界にはごく限られた地域に生息していたのです。しかしこのオスとクローン繁殖するメスで受精させたところ、生まれたのはメスのクローン…。オスの精子はやはり刺激を与えただけでした…。ごく限られた地域のオスとメスだけが、受精し新たな生命を作ることが出来るそうです。
フナの数少ない食べ方が、甘露煮と、そして滋賀県の名物、鮒(ふな)寿司。フナはコイに比べて平べったく身が少ないので、骨ごと食べられるこの様な食べ方しかないのです。
鮒寿司は強い匂いでも有名です。これは琵琶湖原産のニゴロブナを塩漬けにして1年、その後お米に付け2年、計3年も発酵させるためなのです。乳酸発酵するため、骨も軟らかくなり食べやすくなるのです。
スタジオに、鮒寿司が登場しました。臭いに参りながらも口にした所さん。味は意外といけるとのこと。しかしより臭いの厳しいお茶漬けとお吸い物には、ついに箸を付けませんでした…。
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