レコード
の科学
第1193回 2013年9月8日
今注目を浴びているレコードを様々な角度から検証!レコード世代の方々はもちろん、CDしか知らない若い方も必見!レコードの魅力に科学で迫ります!
①根強い人気のレコード…どうして音が録音できるの?
今から136年前「メリーさんの羊」の歌詞を読む、ある男性の声が、レコードに残されていました。声の持ち主は、レコードを生み出した「トーマス アルバ エジソン」。元々レコードは「記録」という意味。エジソンは、音の記録と再生を可能にした「フォノグラフ」という蓄音機を発明。これがレコードの原点。そのエジソンが作った蓄音機の原理を知るため『学研科学創造研究所』へ。
まずは、紙コップを使った、簡易模型で録音と再生の仕組みを教えてもらいました。録音の原理は、紙コップの底に付いた針が声で振動し、プラスチックコップの側面に溝を刻んでいくというもの。
この波打った溝に、再び針を走らせると、声がそのまま音となり紙コップから再生されます。
そこで、記録媒体を円盤に乗せて音を刻む『円盤型蓄音機の簡易模型』で所さんの録音実験!平らで針で傷がつくものなら何にでも、録音ができるということで、ユージの私物「タブレット端末」の液晶画面に針で傷をつけて録音。キレイに再生出来ました。
レコードの原理は意外と簡単なのだ!
②20代の若者たちはレコードを正しく再生できるか?
CD世代の若者は、レコードをどれほど知っているのか?20代のレコード未体験の男女各5人、10人に集まってもらいこんな実験…「シングルレコードをプレーヤーで再生できるでしょうか?」
テーブルには、レコードの他に、レーザーディスク、CD、MD、カセットテープなどを置き、シングルレコードを自分で選んでもらいます。正しい掛け方は…
●レコードプレーヤーにアダプターをセットし、
●レコードを乗せ45回転にスイッチをあわせます。
●そして針を外側の溝に準備してスタートボタンを押し、
●レバーで針を降ろします。
かなり手順は多いのですが、制限時間は1分です。再生プレーヤーも、「レコードプレーヤー」をはじめ、様々な機器から選択します。果たして何人再生できるのでしょうか? 結果は…シングルレコードを選んだのは10人中4人だけ。制限時間内にシングルレコードを正しく再生出来た人は10人中、1人もいませんでした。
CD世代の若者達には、手順が多すぎて難しいのだ!
③レコードの音にヒミツが!生演奏vsレコードvsCD
アナログレコードを取り扱うお店で若いお客さんに、なぜレコードを選ぶのか聞いてみました。すると、「楽器に近いものなのでリアルですよね」「音は、レコードの方が良いですよね、生々しい」「CDよりも音が太くて、録音した時の空気感まで感じれるような…」。皆さんからCDとの音の違いを指摘する意見が多かったので大実験を行う事に!
今回、音の専門家に同行いただいたのは、都内のライブハウス。プロの演奏家を呼び、生演奏を録音。目の前でジャズの演奏をしてもらい、音源として採取します。こうして、生演奏の音と、レコードの音、そしてCDの音は、どのように違うのか比較する実験です!レコードとCDの作成のために協力していただいたのは、今や日本で数カ所しかない、レコードの元となる盤を作る会社。
レコードの元になる円盤に、生演奏の音が刻み…完成!この盤を元に、レコードを作成。出来上がったレコードとCDを研究所に持ち込み、「生演奏」と「レコード」と「CD」3つの音の比較をしていただきました。
研究所の鈴木代表によると「前回ライブハウスにいって録った“生演奏”は立て軸周波数で、4万ヘルツまで、かなり上の方まで強く、いろいろな成分が出ています。CDにすると、2万2千ヘルツより上の方が全くない。」
一方レコードは…「CDが全くないものに比べて、上の方が記録されています。」つまり、レコードには人には聴こえない高い音域まで収録されているんです。なぜCDは、2万2千ヘルツ以上の音がカットされているかというと、CDはその名の通り、コンパクトなディスクにデータを収めるため、人が聞こえない範囲の音は、あえてカットして収録しているんです。だから、人に聞こえない音を含むレコードは、CDに比べ、ライブの演奏に近い波形を示すそうなんです。
レコードの方が自然に近い音なのだ!
④聴き比べ実験!レコードとCDどちらが良い音?
人に聴こえない音を含むレコードと、含まないCDの音の違いは誰にでも分かるのか?そこで実験!
レコード未体験の若者10人に、同じ音源の、レコードとCDを聴いてもらい「どちらの音がいい」と感じたかを答えてもらいます。
まずは、『A』の、『CD』。続いて『B』の、『レコード』。結果は、10人中7人が、『B』の『レコードを支持』!
レコードが支持を集めたのは、偶然なのか?そこで、CDとレコードを聴いた時、人の脳波に違いが生じるのか?脳波測定の専門家に依頼し、調べてみました。被験者にはどちらがレコードなのかを伝えず、約2分間測定を行い、α波とβ波を比較しました。リラックス時に出るα波と、緊張時に出るβ波の比率に、違いは出たんでしょうか?
専門家によると、測定した7人のうち、5名の方がレコードを聴いたとき、α波の優勢率が増え、β波の優勢率が下がった、という結果になりました。
脳波を調べるとレコードの音の方がリラックスできるのだ!
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