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老化防止食材 の科学
第1277回 2015年5月24日


 今回は「老化防止につながるのでは?」と今話題の食材の秘密迫ります!

①アーモンドが肌の老化を防ぐ!?

 肌の老化を防ぐと今話題になっている食材アーモンド!その老化防止作用を研究し、自らもアーモンドを食べ続けている慶應義塾大学医学部の教授井上浩義教授に詳しい話をお聞きしました。先生は5か月間、8人の男女にアーモンドを食べ続けてもらう実験を行い、その結果、7人の肌にキメが整うなどの変化が見られたというのです。アーモンドの中には老化の原因の1つ酸化を防ぐ物質ビタミンEが多く含まれており、これが肌の細胞を守り老化を防いでくれるといいます。食品のビタミンE含有量ランキングでは、茶葉の含有量は多いんですが、ビタミンEは水に溶けにくい性質なので、お茶にして飲んでも、あまり摂取できません。なので、アーモンドはもっともビタミンEを摂りやすい食材と言えるんです。
 さらに、アーモンドには肌にいいもうひとつの作用があるとのこと。それが、糖化防止。糖化とは、糖と肌のタンパク質がくっつき、老化を進める「AGE」という物質ができてしまうこと。アーモンドの成分が糖化を防ぐ様子を実験で見せてもらいます。用意したのは人の皮膚に近い鶏の皮。これを生理食塩水と糖が入った試験管に入れます。そして、アーモンドの成分を抽出したエキスを一方の試験管にのみ入れ、人の体温に近い、36度に保たれた保温器に1週間、置きます。1週間後、アーモンドのエキスが入っていない方は茶色く濁り、入れた方はあまり濁っていません。鶏の皮を取り出してみるとエキスを入れてない方は茶色くなっています。これは糖化によって、老化を進める物質AGEができてしまった状態。人でいえば、ハリを失い、くすんだ肌になったということ。一方、アーモンドエキスを入れた鶏の皮は白いままで、柔らかさを保っています。ハリを失わず、くすんでいない肌ということ。これはアーモンドに含まれているアルギニンという成分が、糖が肌のタンパク質とくっつくより先に、糖と結びつく。これで、肌のタンパク質が糖化するのを抑えてくれるのです。

所さんのポイント
ポイント1
井上先生によると、塩の付いていない素焼きのアーモンドを1日25グラム食べ続けると効果が期待できるそうなのだ!

②クルミが血管年齢を若くする!?

 健康のバロメーターと言われる血管。若い人ほど血管に弾力があり、栄養の運搬や老廃物の排出も滞りなく行えます。しかし、年齢とともに血管は硬くなり、老廃物を排出しづらくなったり血圧が高くなります。すると、心筋梗塞や動脈硬化症など、病気のリスクが高くなってしまうんです。
 それでは、血管の硬さを測定する機械を使って街行く人の血管の年齢を測って見ます。合計10人調べたところ平均してプラス6歳という結果に。しかし、クルミを食べているため血管年齢が若い町があるというんです。
 真相を確かめるため訪れたのは、長野県東御市。長野県はクルミの生産量日本一で、東御市は県内最大の生産地なんです。今回協力していただくのは、クルミ農業に関わっている皆さん。普段からクルミをそのまま食べたり、味噌ダレにしたりして、様々な料理に使って食べているそうです。血管年齢をチェックすると、合計10人で平均マイナス3歳でした。
 井上先生によると、クルミの中にはオメガ3脂肪酸という物質が入っていて、これが血管を若返らせてくれるということなんです。血管が硬くなるのは、血管の内側に悪玉コレステロールが付着するため。そこにクルミのオメガ3脂肪酸が入ってくると、悪玉コレステロールを浮き上がらせてくれるんです。その結果、血管年齢が若いということなんです。

所さんのポイント
ポイント2
井上先生によると、塩味のついてないクルミを一日30グラム食べ続けると、効果が期待できるということなのだ!

③正しいココナッツオイルダイエットの方法とは?

 中年太りの大きな原因は基礎代謝の低下。年を重ねると太りやすくなります。しかし、太らない体質になると注目の食材があります。それがココナッツオイル!ココヤシの実から取れるココナッツミルクを絞り油を取り出したもの。スーパーでも今、売れ筋の人気食材です。街でココナッツオイルのダイエットについて聞いてみると、そのまま飲んだり、料理に使ったりと、様々な使い方をしています。
 その食べ方はどうなのか?ココナッツオイルのダイエット効果を研究している順天堂大学の白澤卓二教授を伺いました。白澤先生によると、パンにココナッツオイルを塗るなどの摂取法は実は間違いなのだそう。そこで、先生のオススメするダイエット方法がこちら。

1,ココナッツオイルをコーヒーに入れて飲む。
作り方はコーヒー1杯に対して、ココナッツオイルを大さじ1杯。それをミキサーにかけて完成。ココナッツオイルをきめ細かくすることで体に吸収しやすくなるというんです。

2,ココナッツオイル入りコーヒーを食事の3時間前に飲む。
ご飯と一緒に食べるよりも、食前に飲んだ方が効果が高いということなんです。

3,食事の糖質制限。
糖質とは、米や麺類、パンなど炭水化物に多く含まれている栄養素。

 でも、糖質制限って続かないイメージが…。しかし、この3つのルールで普通の糖質制限ダイエットとは違う影響が体にあらわれるというのです。ということで、ココナッツオイルダイエットを検証!今までダイエットに失敗してきた4人に集まってもらいました。期間は2週間、果たして、どうなるのでしょうか。

 ダイエット検証2日目。女性の食事は野菜や魚などが中心。ダイエット中、つけてもらった日記には「仕事中、お腹すく〜」と、早くも辛い様子。
 男性も「お腹が空いてとてもつらい」「かんぱん1個でもいいから食べたい」と2日目にして炭水化物に飢えています。
 そして、4人のうち1人はリタイア!空腹に耐えきれずご飯を食べてしまいました。
 ダイエット検証3日目。ここで変化が!男性の日記には「お腹がすかない」「量が少なくても満足できるようになった」。女性も「元気ですし、食欲もわいてこない」「とてもいい感じ!」と、なぜか空腹感が和らいできたというのです。
 そして2週間後に体重測定。まずはこちらの女性は体重マイナス5.1キロ。ウエストもスッキリしました。こちらの男性も体重マイナス5.2キロ。ぽっこりお腹がへこみました。もう1人の男性の体重もマイナス2.2キロ。皆さんに感想を聞いてみると、3日目当たりから空腹感が和らいだという意見が多数でした。なぜ、空腹感を抑えられたのでしょうか?
 白澤先生によれば人の体は食べ物がなくなり飢餓状態になると蓄えられた体脂肪からケトン体と呼ばれるものを作り出し、それをエネルギー源とするため、飢えに耐えられるといいます。これは人類の歴史において、飢餓状態が長く続いたために備わった機能だというんです。しかし、現代では食べ物に飢えることが少ないため、このケトン体を作りだす機能が眠っている状態。そこで、ココナッツオイルを摂る生活を続けると、体脂肪からケトン体を作る機能を再び呼び覚ますことができるというんです。
 先ほどのダイエット検証で大きく減量に成功した2名のケトン体数値を見てみると、途中から、ケトン体の量が増えています。これは眠っていた機能が目覚めたことを表しています。
 白澤教授によると、体重が安定して、太りにくい体質に変わったら、糖質を食べ過ぎない限り、また食べても大丈夫ということです。

所さんのポイント
ポイント3
ココナッツオイルダイエットの秘密は炭水化物の食べる量を減らしても空腹感を抑えられるという点にあったのだ!




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