相関図
ヤマト(38歳) 堂本光一
区立中学・理科教師
元未満都市のリーダー。
幕原を出た後、名古屋の進学校の3年次の3か月間を棒に振ったこともあり、二浪して2000年に某私立大学の理工学部に入学。将来は細菌学の化学者になり、T幕原型の本性を突き止めたいと燃えていた。東京での2年間の浪人生活で、スズコとは疎遠になってしまった。名古屋で小さなスーパーマーケットを営む両親は一人息子に残ってほしかったが。
大学ではサークルには入らず、勉強とバイトに明け暮れる。女っ気はなく、ただひとりいい感じになった同級生とも今一歩踏み込めず、自然消滅。大学時代の唯一の楽しみは10万円で友人から譲り受けたポンコツ車で温泉行脚をすることと、苔の観察。
そんな有事には強いが平常時には優しくいささかぼんやりしている本来の性格が凶と出て、2005年、様々な研究職への就職に失敗し、研究調査は1人でもできると、一応免許を取っていた教職への道に進む。今の中学は教職について3校目になる。
教師になっても特に力を発揮することなく、淡々と日々を生きている。漫研の腐女子生徒がヤマトのファンクラブをひそかに結成しているが、部員は2人ということもあり、本人は知らない。
年老いた親のために、名古屋に戻ることを最近なんとなく意識し始めたが名古屋に帰ると結婚という難題に直面せざるを得ないので、ぐずぐずしている。
幕原のことについては、直後の何年かは対策本部へのリベンジに燃えていたが、時が経つにつれある種の「思い出」として自分の中に残っている。
それは、いささか甘美なものでもあり、そういう自分にひそかに罪悪感を感じる瞬間もある。
元未満都市のリーダー。
幕原を出た後、名古屋の進学校の3年次の3か月間を棒に振ったこともあり、二浪して2000年に某私立大学の理工学部に入学。将来は細菌学の化学者になり、T幕原型の本性を突き止めたいと燃えていた。東京での2年間の浪人生活で、スズコとは疎遠になってしまった。名古屋で小さなスーパーマーケットを営む両親は一人息子に残ってほしかったが。
大学ではサークルには入らず、勉強とバイトに明け暮れる。女っ気はなく、ただひとりいい感じになった同級生とも今一歩踏み込めず、自然消滅。大学時代の唯一の楽しみは10万円で友人から譲り受けたポンコツ車で温泉行脚をすることと、苔の観察。
そんな有事には強いが平常時には優しくいささかぼんやりしている本来の性格が凶と出て、2005年、様々な研究職への就職に失敗し、研究調査は1人でもできると、一応免許を取っていた教職への道に進む。今の中学は教職について3校目になる。
教師になっても特に力を発揮することなく、淡々と日々を生きている。漫研の腐女子生徒がヤマトのファンクラブをひそかに結成しているが、部員は2人ということもあり、本人は知らない。
年老いた親のために、名古屋に戻ることを最近なんとなく意識し始めたが名古屋に帰ると結婚という難題に直面せざるを得ないので、ぐずぐずしている。
幕原のことについては、直後の何年かは対策本部へのリベンジに燃えていたが、時が経つにつれある種の「思い出」として自分の中に残っている。
それは、いささか甘美なものでもあり、そういう自分にひそかに罪悪感を感じる瞬間もある。
タケル(38歳) 堂本剛
滝川法律事務所・弁護士
幕原解放後はいったん大阪の実家に戻る。
ユーリとレイジという2人の思い入れの深い相手を失った心の傷に、実家の母と姉の明るさはあまりにも能天気すぎた。だがそれを周囲に悟られることなく次の年の大学受験で、もともとの志望だった某国立大の法学部に1998年春見事現役合格。とにかく早く弁護士になりたかった。
理由はあの3か月間のつらい出来事を早く忘れて、人生の軌道を幕原以前に戻したかったから。
いや、忘れるというよりも過去の出来事として、自分の中で受け止められるようになりたかったのだ。
だが大学の4年間は寂しがりやのタケルにとって誘惑が多すぎた。同じ授業を取った気の合う友人に誘われて、学生旅行に明け暮れてしまったのだ。日本を離れて見る様々な景色は確かに心安らぐもので今思うと現実逃避だったのかもしれない。渡航先は20か国以上、ヒッチハイクのテクニックでは右に出るものはなくなったが、単位もいくつか落とし、ロースクールへの進級もぎりぎりという状態に。
この厳しい現実に、いつの間にか幕原後の決意どころではなくなっていた。
はっと気づいて猛勉強を再開したものの司法試験には2回落ち、親にも見放されバイトしているうちに30代を迎え、どうしようかと今に至る。
幕原解放後はいったん大阪の実家に戻る。
ユーリとレイジという2人の思い入れの深い相手を失った心の傷に、実家の母と姉の明るさはあまりにも能天気すぎた。だがそれを周囲に悟られることなく次の年の大学受験で、もともとの志望だった某国立大の法学部に1998年春見事現役合格。とにかく早く弁護士になりたかった。
理由はあの3か月間のつらい出来事を早く忘れて、人生の軌道を幕原以前に戻したかったから。
いや、忘れるというよりも過去の出来事として、自分の中で受け止められるようになりたかったのだ。
だが大学の4年間は寂しがりやのタケルにとって誘惑が多すぎた。同じ授業を取った気の合う友人に誘われて、学生旅行に明け暮れてしまったのだ。日本を離れて見る様々な景色は確かに心安らぐもので今思うと現実逃避だったのかもしれない。渡航先は20か国以上、ヒッチハイクのテクニックでは右に出るものはなくなったが、単位もいくつか落とし、ロースクールへの進級もぎりぎりという状態に。
この厳しい現実に、いつの間にか幕原後の決意どころではなくなっていた。
はっと気づいて猛勉強を再開したものの司法試験には2回落ち、親にも見放されバイトしているうちに30代を迎え、どうしようかと今に至る。
アキラ(35歳) 相葉雅紀
設計事務所・一級建築士
20年前人工衛星が落ちた幕原の跡地に、復興を記念する図書館を設計するが……。
20年前人工衛星が落ちた幕原の跡地に、復興を記念する図書館を設計するが……。
モリ(31歳) 松本潤
レストラン『トラットリアRIKI』を経営。
イタリアのレストランで修業をし、自身の店を持つことに成功。何故か昔の仲間と連絡を取りたがらない。
イタリアのレストランで修業をし、自身の店を持つことに成功。何故か昔の仲間と連絡を取りたがらない。
キイチ(38歳) 小原裕貴
バス運転手。
結婚して子供が3人いるため、必死で働いている。
結婚して子供が3人いるため、必死で働いている。
スズコ(38歳) 矢田亜希子
シングルマザー
幕原を出てからヤマトとは疎遠に。その後、出会った男性と結婚して息子・恵太が生まれたが、夫が仕事中の事故で亡くなってしまう。
幕原を出てからヤマトとは疎遠に。その後、出会った男性と結婚して息子・恵太が生まれたが、夫が仕事中の事故で亡くなってしまう。
高木(14歳) 道枝駿佑(関西ジャニーズJr.)
区立中学・3年E組
学校に嫌気がさして中学3年に進級してから不登校に。ゲームおたく。
学校に嫌気がさして中学3年に進級してから不登校に。ゲームおたく。
左山(37歳) 向井理
幕原復興本部・本部長付
本部長・長沼の片腕。優秀ゆえに長沼も一目置いている。ヤマトとタケルを執拗に追い詰める。
本部長・長沼の片腕。優秀ゆえに長沼も一目置いている。ヤマトとタケルを執拗に追い詰める。
真壁 山内圭哉
幕原復興本部・エージェント
左山の実行部隊。某建築会社勤務。
左山の実行部隊。某建築会社勤務。
風間 千葉雄大
設計事務所・一級建築士
アキラの後輩。
アキラの後輩。
優奈 早見あかり
滝川法律事務所・アルバイト
タケルに好意を持っている。
タケルに好意を持っている。