【霧の旗】
『霧の旗』は、生誕100周年を迎えた巨匠・松本清張が昭和35年に執筆した社会派サスペンスの名作。
主人公・大塚欽也(市川海老蔵)は、立て続けに冤罪事件で勝利している若き敏腕弁護士。この主人公が、若く貧しい地方在住の女・柳田桐子(相武紗季)から、強盗殺人の犯人として逮捕された兄を助けて欲しいと何度も懇願される。多忙な主人公は、弁護を断わり、無期懲役の判決を受けた依頼人の兄は、控訴審中に獄死する。やがて、上京し銀座のクラブのホステスとなった桐子は、薄幸の素朴な女から美しく妖艶な女へと変貌し、ある決意を秘めて欽也に近づく・・・。
主人公・欽也の天国から地獄への運命の奔流は、骨太なシェークスピア劇を彷彿させ、『冤罪』や『裁判制度』といった今日的なテーマを見据え、運命に翻弄される主人公の血みどろの戦いを人間ドラマとして描いた『霧の旗』は、重厚感あふれるヒューマン感動巨編に仕上がっている。
【書道教授】
松本清張生誕100年記念作品『書道教授』は、火遊びが過ぎた一人の中年男に降りかかった悲劇を描いた作品。
主人公は、妻・保子(賀来千香子)とごく普通の夫婦生活を送っている銀行員・川上克次(船越英一郎)。陰では、ホステス・神谷文子(荻野目慶子)を愛人にし、愛欲の蟻地獄から抜け出せずにいた。
この主人公が、書道教室の女性教授・勝村久子(杉本彩)の書に心打たれて弟子になり、個人指導を受けるため教授の元に通ううち、屋敷内に漂う奇妙な雰囲気に気づく。未亡人の書道教授は、お手伝いと二人暮らし。しかし、屋敷内では、どこからともなく微かに女の話し声が聞こえてくる。やがて、殺人事件が発生・・・
そして主人公の妻が妊娠。これを知り、態度を一変させる愛人。主人公は、次々と運命の大波を浴び、翻弄され始める。
果たして、書道教室に隠された謎とは?さらに発生する殺人の真犯人とは?
全くタイプの違う女性達との関係の中で、破滅への道へ進んでしまう哀れな主人公の転落の軌跡を描く。
【霧の旗】
大塚欽也…市川海老蔵
柳田桐子…相武紗季
阿部啓一…東貴博
大塚芳子…中澤裕子
柳田正夫…カンニング竹山
杉浦健次…井坂俊哉
池上信子…柳原可奈子
山上武雄…山西惇
益田乃里子…青田典子
添田…山下真司
西本…本田博太郎
鳴海刑事…六平直政
国選弁護人…温水洋一
河野径子…戸田菜穂
沢木検事…中井貴一(特別出演)
奥村雅之…津川雅彦
【書道教授】
川上克次…船越英一郎
勝村久子…杉本彩
神谷文子…荻野目慶子
飯田留吉…嶋田久作
千葉早苗…坂下千里子
支店長…大河内浩
足利…上杉祥三
赤い鳥のママ…春やすこ
千鳥…くわばたりえ(クワバタオハラ)
さやか…小原正子(クワバタオハラ)
安西詩織…岡本麗
日野千鶴…大場久美子
谷口妙子…手塚理美(友情出演)
タクシーの運転手…的場浩司(友情出演)
森本スマ…野川由美子
川上保子…賀来千香子
【霧の旗】
原作
松本清張「霧の旗」新潮文庫刊
チーフプロデューサー
前田伸一郎
脚本
中園健司
音楽
糸川玲子
プロデューサー
金澤宏次(ユニオン映画)、小越浩造(ユニオン映画)
監督
重光亨彦
【書道教授】
原作
松本清張「書道教授」
チーフプロデューサー
前田伸一郎
脚本
ジェームス三木
音楽
吉川清之
プロデューサー
金澤宏次(ユニオン映画)、高坂光幸(松竹京都撮影所)、佐野奈緒子
監督
山田大樹