取材・放送規範

「日本テレビ取材・放送規範」作成について

日本テレビでは改めて、報道、情報番組等、「事実及び、事実の論評を放送する番組」に携わる者が自ら守るべき規範として、「日本テレビ取材・放送規範」を作成しました。

この規範は、取材・放送の責務として、「国民の知る権利への奉仕」、「人権の尊重」、「客観性の確保」、そして、「社会的影響力の自覚」を掲げ、特に遵守すべき事項を記したものです。

日常の取材・制作活動の中で、この規範を関係者全員が携行、遵守し、自らを律し、表現の自由の担い手としての重い責任を自覚し、放送の自律を確保しようというものであります。

規範は基本的には、既存の番組制作ガイドライン等のエッセンスをまとめたものですが、「被害者に対する取材」、「個人情報の保護」、「青少年に対する影響」など、今日的なテーマに特に留意しています。

放送局としての自浄、自律の取り組みを理解していただくためにも、この規範を一般に公開致します。

日本テレビ取材・放送規範

事実及び事実の論評を放送する番組に携わる者は、表現の自由を担い、国民の知る権利に奉仕する社会的責任を自覚するとともに、人権を尊重し、高い倫理観を持ち、自律的かつ公正な取材・放送に当たらなければならない。
国民の知る権利への奉仕
取材・放送は、国民の知る権利に奉仕するものでなければならない。
  • 取材・放送は、国民の知る権利に奉仕し、真実を追求しなければならない。
  • 取材・放送は、公共性のある事実について、公益のために伝えることが原則である。特定の個人、団体の宣伝や利益、あるいは誹謗、中傷を目的としてはならない。
  • 取材・放送は、国民の知る権利・表現の自由を妨害するあらゆる圧力や干渉を排し、自律・独立性を堅持しなければならない。
人権の尊重
取材・放送は、人権を尊重し、不当に名誉を傷つけたり、不当にプライバシーを侵害してはならない。
  • 事件・事故の取材・放送は、被害者及び被害関係者の心情を最大限配慮しなければならない。
  • 事件・事故の取材では、集団取材や強引な取材によって被害者や家族を困惑させないよう配慮しなければならない。
  • 個人の私生活の場に不当に立ち入り、撮影を行なってはならない。
  • 放送すべき公共性が認められる場合以外に、プライバシー侵害に当たるような隠し撮りをしてはならない。
  • 性別、人種、国籍、宗教、信条、身体的条件、性自認、性的指向、職業などによって差別してはならない。
  • 放送目的で得た個人情報を目的外に使用したり、外部に漏らしてはならない。
客観性の確保
取材・編集・放送のすべての過程で、正確、公平、公正を貫き、客観性を保たなければならない。
  • 放送は、事実の上に立って行なわなければならない。
  • ねつ造は最も恥ずべき行為であり、断じて排除しなければならない。
  • 放送は、情報の根拠をできる限り明示しなければならない。
  • 取材源を保護することは取材・表現の自由を守る上で欠かせない責務であり、取材源の秘匿は、これを貫かなければならない。
  • 事実を歪曲してはならず、また、誤解を招く過剰表現や断定的な表現をしてはならない。
  • 放送の公正さを疑われるような利益の提供を受けてはならない。
  • 他人の著作物などを引用して放送する場合は、出典の明示など、必要な措置を取らなければならない。
社会的影響力の自覚
放送の社会的影響力を自覚し、品位と節度を保つとともに、視聴者の声には謙虚に耳を傾けなければならない。
  • 過度な暴力表現、露骨な性表現は避け、特に、児童、青少年への影響を配慮しなければならない。
  • 取材・放送に関する視聴者の問い合わせには、迅速かつ丁寧に対応しなければならない。
  • 万一、誤った放送や人権侵害をした場合には、過ちを改めることを恐れてはならない。