STORY

2024.02.04 OA
「助けて」って言えば良い

親友・和紗(前田敦子)の生まれてくる赤ちゃんの名前を一緒に考え始めるありす(門脇麦)。和紗の母・明希子(阿南敦子)が言うには、親は“こういう子に育ってほしい”という気持ちを名前に込めるようだけど…「私の名前には、どんな気持ちが込められたんでしょうか…」。ありすは、自分の名前を付けてくれた母親の思いが知りたくなってしまう…。

スーパー三國谷で買い出しをするありすと倖生(永瀬廉)は、店の常連客・優奈(新井郁)の家族とバッタリ鉢合わせ。厳しい義母・陽子(円城寺あや)の前で萎縮している優奈…。一方、店長・優作(前原瑞樹)は、ありすの正直すぎる言動に困惑し、倖生に八つ当たり。「愛想が悪い」「ありすの店で足手まといになっている」と言いたい放題の優作に、何も言い返せない倖生だったが、ひょんなことからホールをひとりで回すことになり、汚名返上しようと奮起する。
そんな中、ありすは優奈の体調の異変に気付き、あるメニューを考案。息子のお受験に思い詰める常連客・優奈(新井郁)に、心護(大森南朋)は苦労だらけの子育ての思い出を話す。心護はひとりで、どうやってありすを育ててきたのか?

頑張る倖生に思わぬ疑惑がかけられる!その時、ありすは…!?
ひとりで抱え込みすぎる人の心を軽くする心護の言葉とは?
そして、五條製薬の意外な人物が、心護に会いに来て――!?

以下、ネタバレを含みます。

「いつまでも足手まといじゃないっすから」と奮起する倖生は、和紗が店を休む間、1人でホールを回そうとするものの、次から次へと来店する客に対応しきれず、てんてこ舞い…。そんな中、優奈が来店すると、ありすは何も聞かないまま、疲労回復効果のある『ニンニクたっぷり担々麵』を用意する。三國谷で会った時、ありすは優奈の顔色の悪さに気付いていたのだ。優奈は息子・空(石塚錬)のお受験の準備と家事に追われて毎日クタクタ。その上、教育熱心な義母・陽子のプレッシャーもあって精神的にも一杯一杯。「空がお受験に失敗したら、私なんて親として何の価値もない」と自分を追い詰めていて…。

蒔子(木村多江)が心護を五條製薬に復帰させようと考える中、心護の研究室に、蒔子の夫・誠士(萩原聖人)が訪ねて来る。素っ気ない心護に、蒔子からの誘いを「断るよな?」と聞く誠士。心護は、二度と五條家に関わるつもりはないと誠士を追い返す。2人の間には、何やら因縁があるようで…。

翌日も倖生は1人で店のホールに立つ。…が、お皿を割ったりグラスを割ったり…。おまけに、店の大事な通帳をなくしてしまい、三國谷への支払いを滞らせて大ピンチに…。
一方、和紗の赤ちゃんの名前を考えるありすは、自分の名前の意味が気になって心護に聞いてみる。心護が言うには、“ありす”の由来はアリス・ボールという化学者の名前だという。ハンセン病に有効な治療法を開発し、アフリカ系アメリカ人、さらには女性として初めてハワイ大学の教授になった化学者。“逆境に負けない強くて立派な女性になってほしい”という願いを込めて、ありすの母親が付けたらしい。自分は母の願った通りになっているだろうか…そうでありたいとありすは思う。

そんな中、ついに限界の優奈が、ありすたちの前で倒れてしまった。家事とお受験を1人で抱え込んで誰にも頼ろうとしない優奈を、心護が優しく諭す…「助けてって言っていいんだよ」。かくいう心護も、25年前、ありすを3歳で引き取った時、1人で頑張ろうとしてしまった。でも、子育て経験のない心護がASDのありすを育てるのは並大抵のことではなく、保育園でも迷惑をかけてばかり。周りの保護者からは「普通じゃない子が同じ園にいたら悪影響」「同性愛者に子育てできるのか」などと心無い言葉を浴びせられた。このままでは、ありすとの幸せな暮らしを失ってしまう…。心護は、ゲイである自分を“親”にしてくれた愛しい娘・ありすへの想いを訴え、助けを求めた。その声に真っ先に耳を傾けたのが、和紗の父・定一郎(皆川猿時)。それ以来、定一郎は和紗にありすを守るよう言い聞かせ、八重森家と三ツ沢家は家族ぐるみで付き合うようになった。そして徐々に、理解が広がっていったのだ。心護の言葉が、優奈に、そして倖生の胸に響く…。するとその直後、空が「さようなら」という書き置きを残して姿を消してしまった…!うろたえる優奈は、ずっと言えなかった言葉をようやく口にする…「お義母さん…助けてください」…!

その頃、空は、スーパー三國谷でお菓子を万引きしようとして倖生に止められていた。空を公園へ連れ出し、話を聞く倖生。空は、自分が捕まればお母さんは頑張らなくて良くなると思ったという。そこへ、空を捜していたみんなが駆け付ける。なぜ空と倖生が一緒にいるのか、問い詰められた倖生は、空の万引きを隠すため、「俺が誘拐しました」とウソをつき、立ち去ってしまう…。
愛想もないし態度も悪い、おまけに通帳も盗んで誘拐まで…「あいつ、もう辞めさせた方がいいよ」と息巻く優作だが、実は倖生がなくしたと思っていた通帳は、心護が持っていた。そして、「倖生さんは辞めません」とありすはキッパリ宣言。倖生は不器用で無愛想かもしれない。でも、いつも朝早くから店の掃除をしたり、常連客の特徴をメモして頑張っている…「そんな倖生さんを私は信じています。倖生さんと一緒に働けて私は幸せです。これからも、私は倖生さんに幸せにしてもらいます!」…って、まさかのプロポーズ!?ありすの大胆発言にみんながザワついて…。

翌朝、倖生が大きな発砲スチロールを抱えて帰って来た。倖生は、ありすが優奈に『精力完全回復アンコウ鍋』を食べさせたい、と言っていたのを思い出し、大洗までアンコウを買いに行っていたのだ。「やっぱり倖生さんは、人を幸せにする人です」と喜ぶありす。倖生の名前に込められた親の想い…それは、“人を幸せにして生きていってほしい”だった。
その夜、ありすは三ツ沢家と優奈の家族、さらに優作も呼んでアンコウ鍋を振る舞う。スタミナ満点の温かい鍋を囲んで和気あいあいの一同。空が万引きしようとしたことを素直に告白し謝ると、疑いの晴れた倖生に、「ちょっと言い過ぎた」と反省する優作。そしてありすは、和紗の赤ちゃんの名前を発表!『虎虎愛』と書いて、『ココア』!…賛否両論が巻き起こる三ツ沢家をよそに、優奈は空と陽子と3人で、これから仲良く助け合っていこうと約束する。

これで一件落着、大団円。…と思ったのもつかの間、ありすの前に突然、蒔子が現れて、波乱の予感――!?