9月27日 「はじめての夏」 後藤晴菜

今年の夏、全日本少年サッカー大会で初めてのベンチリポートを担当することになりました。
「え、8人制サッカー??」
そんなことも知らなかった私にリポートなんてできるのか...。不安の二文字以外頭に浮かんでこない中、まずはルールの勉強からスタート。ルールがわかってきたら今度は過去のDVDを見ながらリポートの勉強。あっという間に出発当日になってしまい、静岡に入ってからは準決勝と決勝の中継に向けて毎日リポート練習と取材の日々が続きます。

選手たちに取材をすると、必ず聞こえてくるのが「絶対優勝したい!」という一言です。見た目は小学生の少年少女でも、気持ちはプロのサッカー選手に負けていないのではないかと思わせるほどで取材する私が圧倒されてしまいました。
準決勝、決勝と私は茨城県にある鹿島アントラーズジュニアのリポートを担当しました。選手だけでなく、応援に来ているご家族やチームのメンバーにも取材します。涙を流しながら話してくださったお母さんや、からからに声を枯らしながら「今日も勝ってもらわんと!」と意気込むお父さんたちを見ていると、私も一段と気合いが入ります。
積極的にリポートを入れようと意気込んで臨んだ準決勝。悔しいことに、極度の緊張でマイクのカフをあげられなくなってしまい、前半で入れられたリポートはわずか1回。挽回することができないまま試合終了のホイッスルがなり、もやもやした気持ちを引きずりながら次の日の決勝を迎えることに。
決勝当日、試合前にピッチの外でマイクテストをする私にスタンドの鹿島サポーターから「後藤!後藤!」と名前のコールのプレゼントがありました。絶対にやり残したくない、その一心で前半から前のめりにリポートを入れようと心がけました。そしてその鹿島アントラーズジュニアが優勝。勝ち負けがはっきりとついてしまうことは残酷ではありますが、勝って喜ぶ選手、負けて涙を流す選手、相手チームを思いやる選手など感動がわくその瞬間にいられることがスポーツ中継の醍醐味だと今回感じました。ひとつひとつの瞬間に立ち会い、その感動を伝えられるアナウンサーを目指してこれから精進していきたいと思います。

写真は、試合後にピッチの外で同期の川畑に撮ってもらいました。トラックに立つとついつい走り出したくなってしまいます(笑)