アナウンサーの涙
というよりむしろ
涙のアナウンサーか。
そう、アナウンサーが涙を流すことについて。
「アナウンサーも人間。泣くのは自然だ」
「情報を伝えるプロが泣いたら、そっちが気になって内容が入ってこない」
色々なご意見を目にする。
果たして、自分はどうだったか。
20代、30代の時は泣きそうになることが無かった。
特にスポーツ中継で感動的なシーンを実況する時は
「今、何を実況することが正解で、どういう言葉を選択するか、どういうトーンで伝えるべきか」
それを頭の中で考えるのにいっぱいいっぱいになって、自分が感動する余裕が全くなかったからだと分析する。
では、40代に入ってからはどうか。
涙との葛藤だ。
涙もろいにも程がある。
しかも放送中ではなく、ナレーションを収録するために録音ブースに入って、映像に合わせて原稿を読んでいるうちに
もう涙があふれてしまう。でもその姿を誰にも見られていないので、涙を流しながらナレーション録りを最後まで行う。
先月は「名探偵コナン」の映画を見て泣いた。
今月は、巨人の新外国人投手グリフィンが気持ちのこもったダイビングキャッチを試みたシーンを見て泣いた。
間違いなく仕事に影響が出るレベル。
そんな中、「OUT OF 48」というオーディションドキュメンタリー番組を担当している。
日本一AKB48に詳しい柏木由紀さんに加えて、
自称「夢に向かって頑張る人を見て泣いた回数 日本一」の俳優 前田公輝さんがお相手だから、さぁ大変。
番組進行が破綻しないようにとった予防策ある。
「VTRは事前に1人で視聴しておくこと」
予め1人で見て勝手に感極まり、頭と心を冷静にしてから収録に向かう。これで完璧。
そして番組の収録がスタート。
予防策の効果は・・・・・なし。
人間の心はそんなに単純なものではないらしい。
今年は50代に突入。
涙腺がもつか心配だ。