帰省という漢字は、帰ることを省みる、と書く。
これほどまでに、実家に帰省することを規制した1年は無かったのではないか。
辞書を引いてみると、「帰って親の安否を尋ねること」と書いてある。
その親に新型コロナウイルスを持って帰ってはいけないと、多くの人は考えただろう。
私もその一人である。
だが今は、躊躇わなくても、反省しなくても、帰省出来る方法がある。
それは、リモート。
高校時代、部活動で練習に励んだ仲間と、初めて、リモート飲み会をした時のこと。
懐かしい顔、声、エピソードトークで盛り上がり、会わずとも、一瞬にして、
食堂の自動販売機で炭酸飲料を買い、飲みながら大爆笑していた、あの青春時代に戻ることが出来た。
「次は直接飲みたいなあ。」
時が経ち、私たちが手に持っていた飲み物は様変わりしていたが、この言葉が、今はリモート飲み会の締めのコメントとなりつつある。
直接会って、もう一つ仲間に伝えたいことがある。
夢を叶えることが出来たということだ。
小学生の頃から、アナウンサーという夢を持ち、
口に出したり、紙に書いて目に見える位置に貼ったりしておくと、叶いやすいという話を聞いて、実践していた。
本当にその夢が叶った。言い続けて良かった。
いつもTVで見ていた先輩と部で、笑いながら話している。
まだ、信じられない。しかし、夢を叶えることは、今までに経験したことのない達成感で、ここからが勝負だぞ!と、尻を叩かれている気分になる。
今年の初詣、分散参拝が勧められるなか、人の少ない時間を見つけて近くの神社を訪れた。
周りには誰一人いない。
鈴を鳴らしながら、小さい声を出しながら、お願いごとをしたのは初めてかもしれない。
「早く、安心して、実家に帰省出来る世の中になりますように」