はかま姿の女子学生に「あ、卒業式」と気づく季節。年度替わりは、番組の担当アナウンサーが替わる時期でもあります。
新人時代からこれまで、いくつの番組に携わってきたのか...。準備段階から参加して、スタッフとともに、生みの苦しみと喜びを味わった「ルンルンあさ6生情報」(1983年)や夕方のニュース「ライブ・オン・ネットワーク」(1986年)といった新番組もあれば、40年以上続く長寿ニュース番組「きょうの出来事」(平日)に一人、途中参加して、老舗の若女将のような気持ちになったこともありました。
私は報道系と思われているようですが、縁のあった番組を振り返ると、存外、多方面にわたります。アナウンサーの仕事は寄せ鍋の如し、です。
寄せ鍋で思い出しましたが、「3分クッキング」を手伝ったこともあるのですよ。先輩アナの海外出張の間、わずかな期間でしたが、テレビ画面には料理の先生と私しか映っていないのに、その両脇で何倍もの人数の調理助手さんが慌ただしく働いて、何本もの手が左右から差し伸べられるのに、びっくりしました。
バラエティーでは、新人の頃、所ジョージさんのクイズ番組のアシスタントをつとめました。スポーツの分野はささやかなものですが、テニスや小学生バレーの実況。解説の松平康隆さんから、「女性初の、バレーボール実況アナウンサーだよ」と励まされました。東京マラソンのサブアナ(実況アナの手伝い)や、横浜国際女子駅伝の中継所、中継車リポートといったロードレースの経験は、時を経て、英国ロイヤルウェディングの中継に役立ちました。結婚パレードの実況は、コースと、走る馬車と、沿道の様子を伝える。ロードレースそっくりなのです。
"具材"が味を補い合って、煮込むほどに味わい深くなる"寄せ鍋"でありたい。新たな具も加えつつ...。