「関西仕込みの度胸と根性で精一杯頑張ります!」
昨年8月、初鳴きで何度も口にしたことばですが、
別に関西人じゃなくても度胸と根性がある人はいくらでもいるだろう…と今では思います。
初鳴き直後に放送を見返すと、
こわばった顔・震える声・4回/秒のまばたき・MCの方に少し見当違いな返答をする自分が画面に映っていたので、
恥ずかしくて初鳴きの映像はそれから一度も見返していません。
関西仕込みの度胸と根性が聞いて呆れますね…。
それから10か月。
そんな私も沢山の方に支えられて、この春で2年目になりました。
この1年でいちばん印象に残っている仕事が、担当しているnews zeroでの、歌い手のAdoさんへのインタビューです。
「うっせぇわ」などの曲で一世を風靡したAdoさんですが、“Ado”という名前の由来、ご存じですか?
狂言の世界では主役を“シテ”、脇役を“アド”と呼ぶのですが、
「“皆それぞれが人生の主役”なんて言うけれど私は主役になりたいと思わない。
歌い手として、脇役になって誰かの人生を支えられたらかっこいいなと思ったからAdoと名付けました」と、名前に込めた思いを教えてくださいました。
新人研修で多くの先輩が言っていた、「アナウンサーという仕事の魅力は、
各界の一流に会えて、その人の考えを聞くチャンスがあることだ」という言葉を思い出して、ああこういうことか、と初めて実感した瞬間でした。
大胆な歌詞やハスキーな力強い声と少し違ったイメージのAdoさんの温かさや慎ましさに触れて、心が震えたのを覚えています。
同時に、私も“アド=脇役”として、「主役である情報をいかに分かりやすく伝えるか、
ゲストやアスリートの方の魅力をどう引き出すか」を大切にできるアナウンサーになりたい、と感じました。
沢山のはじめてを経験し、人生で一番濃い1年だった、アナウンサー1年目。
来年の今頃、また同じことが言えるように、日々精進してまいります。