アナウンサーとして司会台の前に立ち、緊張したことは何度もあります。
でも、緊張が麻痺するほど、
客席にいらっしゃる方々にうっとり見とれてしまうことが、年に1度だけあります。
日本テレビの歴史あるイベント番組の一つ・・・!
それは・・・!!
「日本アカデミー賞授賞式」の司会です。
今年も、私は2月27日(金)の「第38回日本アカデミー賞授賞式」の司会進行を担当します。
総合司会は西田敏行さんと、昨年の最優秀主演女優賞の真木よう子さん。
インタビューなどのお手伝いは、桝太一アナと徳島えりかアナ、
番組進行は水卜麻美アナが担当します。
「日本アカデミー賞」の"華"といえば、
作品賞や監督賞、脚本賞や主演男優賞・女優賞、助演男優賞・女優賞、新人賞など、
今の日本映画界で大活躍する方々の表彰です。
毎年最優秀賞のスピーチは、溢れる思いあり、ウィットあり、感謝あり・・・
と、聞き応えのあるものばかり。
授賞式のクライマックスでもあるその様子は、毎年日本テレビの地上波放送でたっぷりご覧頂いていますね。
ところで皆さん、この「日本アカデミー賞」には、
いくつかの『特別賞』が設けられているのをご存じですか?
作品に関する賞は昨年1年間の評価で競われますが、
こちらは「永年にわたって日本映画界に貢献した"職人"を称える賞」とでもいいましょうか。
製作現場で種々の技能・職能で活躍されてきた方々
(例えば、殺陣指導や床山、装飾や音響などの裏方さん)や、
日本映画界に功績を残して亡くなった方々を表彰する賞です。
実は授賞式の途中、西田さん・真木さんと入れ代わって
この部分の司会進行を担当するのが私の仕事なのです。
こちらのスピーチでは、裏方さん独特の謙虚さ・朴訥さが感じられたり、
ご家族だからこそ語れる故人の情熱エピソードが披露されたり、
派手さはなくても味わい深い"映画への愛"がじわりと伝わってきます。
文頭のように、オーラを放つ名立たる俳優の皆さんが客席にいることで、
舞台と客席の境がわからなくもなりますが、「特別賞」の重みは私も齢を重ねてきている分、実感につながります。
昭和の名優の功績を紹介するコメントでは、
私も映画から多くのことを教えてもらってきたことを思い出し、感謝の気持ちでいっぱいになります。
残念ながら、地上波放送ではカットされてしまいますが、
CS放送の日テレプラスでは後日完全版でご覧いただけます。
今年も、心をこめて務めたいと気を引き締めています。
そして・・・授賞式終了後は、関係者の皆さんで過ごす「祝賀パーティー」の司会も私の大切な仕事。
皆さんに気持ちよく過ごしていただくために、
ノミネート作品は全て鑑賞し、アドリブの準備も怠りません。
いましばらくは、映画評論家の「小森のおばちゃま」風に、
「豊田のおばちゃまはね、あの作品を観てこう思ったんだけど、あなたはどうかしら?」などと、
若手アナに話を振ってはインタビュートークの練習をしています。
(因みに、モノマネをしても、最近の若いアナは反応を示してくれないのが残念です・・・。
知らないのか、あきれられているのか・・・苦笑)
今年の「日本アカデミー賞」の"最優秀"に輝くのは果たして...!?
是非ご覧下さい。