3月21日 藤井 貴彦

たまたまこの時期に、リレーエッセイの担当機会をいただきました。
ありがとうございます。
東日本大震災から6年。
今年も特別番組として現地から放送しました。


被災3県それぞれから現状を伝えましたが、
私が中継した場所は福島第一原子力発電所が見える地区の小学校でした。
校舎は原発から6km、海からも300mという距離にあり、
津波と原発事故という2つの被害を受けた場所です。


すでにがれきの処理は完了していて、4月から避難指示が解除されますが
同じ場所に小学校を作るかどうかは、まだ決まっていません。
海が近い、原発に近い場所にもう一度子供を通学させられるかどうか。
親としては簡単に決断できません。

その前に、住民がこの地域に戻ってくるかどうかも問題です。
 
内陸部にいると、潮風が恋しいと教えてくれた避難者がいました。
海のそばで育った人は、結局は海のそばに戻るのだそうです。
ただ今度は「海の見える高台」です。
そこから潮風を感じる生活が始まります。
 
来年、中継するときは、みんな高台の新しい家に引っ越しているのかもしれません。
被災地に新たな希望が生まれているでしょうか。
応援し、見守り、訴えかける。
微力ながら、できるだけ長く現状を伝えていけたらいいなと思っています。