11月26日 豊田順子

「歴史」とは、その日その日に起きたこと・・・。
アナウンサーの仕事を続ければ続けるほど、最新ニュースは伝えた瞬間に、
その内容が「歴史」となっていくことを深く感じます。


この秋、16年ぶりにニューヨークを訪れました。
"あの場所の今"をしっかりと見ておきたくて・・・女一人旅です。


2001年9月11日、あの日は火曜日でした。
夜10時半頃に通常放送をカットインして速報を担当し、
午前2時までひっきりなしに入ってくる外電原稿を読み続けた特別番組。


その後、荷物をまとめて土曜日にNYへ・・・。
煙が立ち上る現場に到着し、とてつもなく高い瓦礫が発する熱や
においを感じながら、必死にリポートをしたあの場所。
NYに住む人々の不安や恐怖、悲しみに打ちひしがれた表情に、
言葉を失ったあの場所。


世界同時多発テロの現場「ワールド・トレード・センター(WTC)」です。


事件翌年にもNYを訪れているので、私にとっては16年ぶりのNY。
バスの車窓から街の様子を確かめながら、記憶を呼び戻します。
懐かしいシーンもあれば、初めてお目にかかるワクワクシーンも。
そしてWTCは・・・?
思わず、目を見張りました!
これが16年という年月なのかと・・・。
途方にくれるばかりだったあの惨状が、こんなにも清潔に
世界中の人々を受け入れる場所になるのかと・・・。
すごい。
人間の逞しさ、アメリカ人の自信、NYのエネルギーを、確(しか)と感じました。

時は、アメリカ中間選挙前。
トランプ大統領は自分の成果を景気よくブチあげ、
街を歩けばあちこちで工事、クラクションとサイレンがその騒音をかき消す。
何はともあれNYは元気です!


丸4日間のNY滞在で、スマホの歩数計は11万歩!
私も、NYからエネルギーをもらいました!!


思えば、平成元年に日本テレビの採用試験を受け、翌年に入社。
来年は平成31年・・・時代がかわります。
「平成」という時代をアナウンサーとして生きてきて、
「911を教科書で教わりました」という新人アナの研修を担当する私・・・。


その日その日に起きた「歴史」を、これからも誠意をもって
お伝えする覚悟を新たにしました。


トランプタワーの前で・・・一人旅なので、自撮り写真です!(笑)