4月に入り都内を歩くと、シートを広げて
道端でキャンバスに色鮮やかな桜を描く人々が目にとまる。
僕にとって春を感じる光景の一つだ。
幼い頃、絵を描くのが好きな両親と公園に行っては
スケッチブックにクレヨンや絵の具で春の色を落とした。
冬に比べて使える色が増えるので
指先を虹色に染めながら描いていたのを思い出す。
去年、娘の誕生日にクレヨンをプレゼントしたのをきっかけに
娘は塗り絵に夢中だ。
家に帰ると画用紙を持ってきて下絵をせがまれる。
妻と二人でペンで花を描いたり、キャラクターを描いたり•••
あっという間に塗り終わるので次から次へと描き続ける。
3人で机を囲む様子は、まるで漫画家の作業所のようだ。
今年から、僕は絵を描き始める事にした。
もちろん娘に影響されてだ。
20年ぶりに画材屋さんに足を運び、水彩絵具や色鉛筆を購入し
企画した番組、日テレプラス「鉄道発見伝 鉄兄ちゃん藤田大介アナがいく!」の
ポストカードやテーマ曲のCDジャケットを制作した。
放送開始から3年目、思い出のシーンを日本地図の上に描き、
3月の大阪の鉄道イベントでは6000人以上の方に手渡した。
美しい景色を切り取る写真も素敵だが
じっくりと風景を味わいながら花びらや枝葉の一本一本を
絵筆で描いていくと心が落ち着く。
発見があったり、想像力を働かせる時間が心地よい。
暖かくなってきた。今後は自宅だけでなく、
外の空気を味わいながら娘と妻と3人で肩を並べて
キャンバスに向かいたいと思う。