4月28日 藤田 大介

4月に入り都内を歩くと、シートを広げて
道端でキャンバスに色鮮やかな桜を描く人々が目にとまる。
僕にとって春を感じる光景の一つだ。
 
幼い頃、絵を描くのが好きな両親と公園に行っては
スケッチブックにクレヨンや絵の具で春の色を落とした。
冬に比べて使える色が増えるので
指先を虹色に染めながら描いていたのを思い出す。
 
去年、娘の誕生日にクレヨンをプレゼントしたのをきっかけに
娘は塗り絵に夢中だ。
家に帰ると画用紙を持ってきて下絵をせがまれる。
妻と二人でペンで花を描いたり、キャラクターを描いたり•••
あっという間に塗り終わるので次から次へと描き続ける。
3人で机を囲む様子は、まるで漫画家の作業所のようだ。
 

 
今年から、僕は絵を描き始める事にした。
もちろん娘に影響されてだ。
20年ぶりに画材屋さんに足を運び、水彩絵具や色鉛筆を購入し
企画した番組、日テレプラス「鉄道発見伝 鉄兄ちゃん藤田大介アナがいく!」の
ポストカードやテーマ曲のCDジャケットを制作した。
放送開始から3年目、思い出のシーンを日本地図の上に描き、
3月の大阪の鉄道イベントでは6000人以上の方に手渡した。
 
美しい景色を切り取る写真も素敵だが
じっくりと風景を味わいながら花びらや枝葉の一本一本を
絵筆で描いていくと心が落ち着く。
発見があったり、想像力を働かせる時間が心地よい。
暖かくなってきた。今後は自宅だけでなく、
外の空気を味わいながら娘と妻と3人で肩を並べて
キャンバスに向かいたいと思う。