3月3日 藤田 大介

身近な食品の価格変動は世間の関心が高く、
「news every.」ではよく取り扱われ、私は現場に向かいます。

昨今のブームで品薄の「あご出汁」。
「あご」とは「トビウオ」のことで、長崎県北部の庶民の味で秋を告げる魚ですが
昔は買い手がつかず、その地で味噌汁や煮物、正月の雑煮などの出汁にしていました。
それが一変、最近は価格は高騰。
 
去年9月、長崎県平戸漁港を取材した際、
漁師さん達は「全国に認められてきたのかな」と感慨深げでした。
両親が東北出身の私には、今まで馴染みがなかった「あご」。
弱火で出汁をとる事3〜4分、煌びやかな金色のスープは、上品な香りとコク、
青臭さを感じない奥深さで、まさに「あご」が外れるほどの美味しさ。人気も頷けます。
 
同じ出汁でも続いては「昆布」。
国内生産量の9割以上が北海道ですが、昨夏の台風で大不漁となり
価格を上げざるを得ないという情報が。
そこで先月、福井県敦賀市に赴きました。
 
敦賀は江戸時代から北海道昆布を集め、加工場で栄えてきた港町。
豊富な種類と特徴の違いに目を見張りました。
「日高昆布」は煮あがりが早く家で使いやすく、
「利尻昆布」は、澄んだ香りに旨味が強く京都の懐石料理で使われ、
「羅臼昆布」は濃厚な風味で出汁昆布として利用されます。
その他、真昆布、長昆布、厚葉、がごめ、ねこあし昆布など、
品薄な昆布もあるかもしれませんが、店頭で見かけたら
ぜひそれぞれ味比べしてみたいと、好奇心をくすぐられました。
 
これからも、焼きあごや昆布で丁寧に出汁を取り、
日本人が継承してきた味を大事にしたいですね。
(ただ子供に「パパのお料理おいしいね」と言ってもらいたいだけなのかも...?)