『アメリカのクリントン大統領は4日、イギリスのメージャー首相と会談し…』
1997年に入社して今年で27年。
これが、私のニュース読みの「原点」です。
実はこれ、当時、新人研修で読んだ原稿。
講師は井田由美アナ。
井田さんの前で読み始めた私に対して、
井田さんの指摘は、
「読むのではなく、伝えて。」でした。
そのために、「イメージしなさい」とも言われました。
今なら、すんなり理解できるその言葉も、
新人の時には、よくわからず、
ぽかんとしていたら、
井田さんから、
「この場にクリントン大統領と、メージャー首相がいると思って、読んでみて」
ますます、混迷を深める私に、今度は、
「身ぶり手ぶりを交えて、読んでみて」
えーっと・・・
井田さんからさらにアドバイスがあります。
「『こちらにいるアメリカのクリントン大領は、4日、こちら、イギリスのメージャー首相と』」という感じで。
恐る恐る、手ぶりを交えながら、
「『(こちらにいる)アメリカのクリントン大統領は、4日、(こちらにいる)イギリスのメージャー首相と会談し…』」
この瞬間に、自分でも読みが変わったのがわかりました。
イメージをすることによって、
スピードが変わり、リズムが変わり、トーンが変わり、
自然と「間」がとれるようになる。
これなんだ…。
あの時の井田さんのアドバイスを、私も講師を担当する今、
後輩たちに伝えています。
今年もまもなく、その季節です。