「謹賀新年」
皆様、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
さて、今回このエッセーを書くに当たり、前回、何を書いたのか確認したところ、
ほぼ1年前の、ほぼ同じタイミングで「高校サッカー」について書いていた。
なるほど。それもそのはず。
この時期はまさに高校サッカーのピーク。
私自身、準々決勝の実況を終えた翌日にこのエッセーを書いている。
2年連続で同じお題なのは心苦しいが、お付き合い下さい。
なぜ高校サッカー?
なぜならば、またしても予測不能なことが起きているからだ。
去年、石川県の星稜高校が初優勝したのは記憶に新しいところ。
しかも、河崎監督が交通事故にあい、監督不在で成し遂げた快挙だった。
あれから1年。
今回、ベスト4に勝ちあがっているチームの中に、その星稜高校がいる。
去年の優勝校だから、驚かないかもしれないが、戦前の予想は
去年ほど高いものではなく、直前の練習試合も負けが続いていた。
今年は厳しいかな、という評価だった。
なのに、である。
もちろん高校サッカーには大番狂わせ、サプライズ、劇的勝利は付きもの。
そんな中、星稜高校は着実に白星を重ね、ベスト4まで勝ち上がってきた。
予測不能である。
こうなるとどうしてもその理由が知りたくなる。
そういえば、大会直前に星稜・河崎先生を取材した際、こんなことを仰っていた。
「高校サッカーは、強いものが勝つのではなく、勝ったものが強いんだよ」
名将の言葉が今になって心に響く。
「連覇」となれば、首都圏開催後、5度目の快挙となる。
しかし、就任31年目の河崎監督は、白い歯を見せながらこう続けた。
「去年、俺は選手権に出ていないから、今回勝てば、初優勝だよ」
入社して18年。
改めて高校サッカーの奥深さを思い知らされる日々だ。
いよいよクライマックスを迎える高校サッカー。
どんなドラマが待っているのだろうか。