1月7日 ラルフ鈴木

「謹賀新年」
 
皆様、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
 
さて、今回このエッセーを書くに当たり、前回、何を書いたのか確認したところ、
ほぼ1年前の、ほぼ同じタイミングで「高校サッカー」について書いていた。
 
なるほど。それもそのはず。
この時期はまさに高校サッカーのピーク。
私自身、準々決勝の実況を終えた翌日にこのエッセーを書いている。
2年連続で同じお題なのは心苦しいが、お付き合い下さい。
 
なぜ高校サッカー?
なぜならば、またしても予測不能なことが起きているからだ。
去年、石川県の星稜高校が初優勝したのは記憶に新しいところ。
しかも、河崎監督が交通事故にあい、監督不在で成し遂げた快挙だった。
 
あれから1年。
今回、ベスト4に勝ちあがっているチームの中に、その星稜高校がいる。
去年の優勝校だから、驚かないかもしれないが、戦前の予想は
去年ほど高いものではなく、直前の練習試合も負けが続いていた。
今年は厳しいかな、という評価だった。
 
なのに、である。
もちろん高校サッカーには大番狂わせ、サプライズ、劇的勝利は付きもの。
そんな中、星稜高校は着実に白星を重ね、ベスト4まで勝ち上がってきた。
予測不能である。
こうなるとどうしてもその理由が知りたくなる。
そういえば、大会直前に星稜・河崎先生を取材した際、こんなことを仰っていた。
 
「高校サッカーは、強いものが勝つのではなく、勝ったものが強いんだよ」
 
名将の言葉が今になって心に響く。
「連覇」となれば、首都圏開催後、5度目の快挙となる。
しかし、就任31年目の河崎監督は、白い歯を見せながらこう続けた。
 
「去年、俺は選手権に出ていないから、今回勝てば、初優勝だよ」
 
入社して18年。
改めて高校サッカーの奥深さを思い知らされる日々だ。
いよいよクライマックスを迎える高校サッカー。
どんなドラマが待っているのだろうか。