入社19年目の秋、アナウンサーとして大きな決断をしました。
それは「箱根駅伝実況挑戦」です。
日本テレビの年末年始のスポーツ実況業務は2つに分かれます。
「箱根駅伝」
「高校サッカー選手権」
どちらも日本テレビが大切にしてきた歴史あるコンテンツです。
入社する前は実家の炬燵で家族と共に箱根を見て、そのあと高校サッカーを見ていた自分がいました。
私は入社以来高校サッカーに育ててもらいました。
取材の基本、実況の基本、仲間と共に何かを成し遂げる素晴らしさ。
12月は毎年日本全国の高校に取材に行き、多くの指導者から話を聞くことができ、素晴らしい人間関係も築くことが出来ました。本当に感謝しています。
その高校サッカーを離れ、41歳の秋、箱根駅伝に移ろうと思ったのは、実況アナウンサーとしてもっと成長したいと強く思ったからです。
慣れた環境、築き上げた人間関係、喋り慣れたフレーズ、それらを一度リセットしてもう一度ゼロから挑戦したい。
寿司職人だった祖父が昔からよく言っていた言葉があります。
「職人は10年やってようやく人前に料理を出すことができ、20年やって一流と言われるようになる。そこから先、自分を磨き続けた人間だけが超一流になれる」
当時、小学生だった私はその意味がよくわかっていませんでしたが、今はその言葉の意味がわかります。
20年目からの10年。実況アナウンサーとしての自分をどこまで磨くことが出来るのか。
高校サッカーへの感謝を忘れず、箱根駅伝という新たな「山」をここから登っていきたいと思います。