「4年と1年」
東京五輪の実況で、
唯一言おうと心に決めていたフレーズです。
東京五輪の実況を担当することが決まって1年半以上、
携帯のメモ機能に思いつく度に
色々なフレーズを書き留めてきました。
選手の努力や活躍をより際立て、歴史的瞬間に華を添える一言。
名場面に名実況あり。
あくまで目の前の一瞬を大事にすることを心に決めながらも、
少し欲張ってしまう自分も・・・。
その中で思い出したのが、ある五輪メダリストの方の
「五輪は4年という間隔があるから、難しいし魅力的なんだ」という言葉。
五輪においての4年という月日の意味。しかも今回は1年の延期。
アスリートの苦労、葛藤、リオ五輪からの時間は、
ただの5年ではないという事を勇気を持って
この一言に込めた’つもり’でした。
実況を終え、視聴者の皆さんにしっかり意味が伝わったかな、
と不安になり、禁断のエゴサーチ。
案の定・・・・
「5年でいいんじゃない?」
「間違えて、慌てて1年足した?」
「真夏の大失態」というご意見多数。
限りなく遠い名実況への道。
それでも、
多くのアスリート、関係者、ボランティアの皆さんの姿に触れ、
素晴らしい瞬間をたくさん伝えられた。
そして、自分なりのこだわりを持って言葉を発することができた。
私の真夏の大冒険は終わりました。