9月15日 佐藤 義朗

4年と1年」

 

東京五輪の実況で、

唯一言おうと心に決めていたフレーズです。

 

東京五輪の実況を担当することが決まって1年半以上、

携帯のメモ機能に思いつく度に

色々なフレーズを書き留めてきました。

 

選手の努力や活躍をより際立て、歴史的瞬間に華を添える一言。

 

名場面に名実況あり。

あくまで目の前の一瞬を大事にすることを心に決めながらも、

少し欲張ってしまう自分も・・・。

 

その中で思い出したのが、ある五輪メダリストの方の

「五輪は4年という間隔があるから、難しいし魅力的なんだ」という言葉。

五輪においての4年という月日の意味。しかも今回は1年の延期。

アスリートの苦労、葛藤、リオ五輪からの時間は、

ただの5年ではないという事を勇気を持って

この一言に込めた’つもり’でした。

 

実況を終え、視聴者の皆さんにしっかり意味が伝わったかな、

と不安になり、禁断のエゴサーチ。

 

案の定・・・・

5年でいいんじゃない?」

「間違えて、慌てて1年足した?」

「真夏の大失態」というご意見多数。

 

限りなく遠い名実況への道。

 

それでも、

多くのアスリート、関係者、ボランティアの皆さんの姿に触れ、

素晴らしい瞬間をたくさん伝えられた。

そして、自分なりのこだわりを持って言葉を発することができた。

私の真夏の大冒険は終わりました。