8月2日 「17年目の告白」 馬場典子

多くの人が熱い想いを抱いているので
これまであまり話さなかったことですが、
私はアニメが大好きです。
初めて買ったレコードはCAT'S EYE。
理想のタイプはルパン三世。

こどものころ、
テレビの前で正座して、
主題歌を一緒に歌い、
本編が始まると、母に呼ばれても気付かないほど夢中になる。
何より幸せな時間でした。
エンディングテーマまで熱唱していましたから、今でも空で歌えます。

ZIP!でもおなじみのガッチャマンやマジンガーZなど、戦闘ものも大好きでしたが、
一番の心のふるさとは、毎週日曜日の夜。
ハイジ、フランダースの犬、母をたずねて三千里、あらいぐまラスカル...

私にとってアニメーションは、
クールジャパンの代名詞として世界で脚光を浴びる前、
絵本のように、いつも、すぐそばにある、温かな存在でした。

そしてもう一つ。
こちらも多くの人にそれぞれ愛されているので
なんだか言いそびれていたのですが、
私はジブリが大好きです。

入社して17年。
念ずれば通ず!?
日本テレビに入社しながらジブリと直接ご縁がなく、
寡黙な(?)一ファンだった私が、
とうとう!鈴木敏夫プロデューサーにお目にかかる機会に恵まれたんです!
鈴木さんのお話はどれも、新しい発見や驚きに満ちていて、
ジブリ作品の味わい深さ、映画づくりの奥深さを改めて感じました。

『風立ちぬ』×ZIP!のコラボ特番でのこと。
芸能界きってのジブリ通、オリエンタルラジオの中田敦彦さんでも気付かなかった新事実。
鈴木さん曰く、「宮崎駿研究家はそれに気づかなきゃいけない」こと。
それは――

――宮崎駿監督の描く恋のかたち。
その一番の特徴は、「出会った瞬間に100%互いが好きになっている。」

普通、男女の恋を描くときには、実る過程や駆け引きを楽しむものですが、
たしかに宮崎監督の描く恋愛は、
オリラジあっちゃんのお言葉を借りると、とても「運命的」で「ロマンチック」。
出会って一瞬で、相手の存在も魂も、未来までも全て受け入れてしまうもの。

だから、「男女の出会いを劇的にしている。」
空から降ってきたシータをパズーが両の手で抱きとめる。
今回の『風立ちぬ』でも、帽子が、2人の出会いを演出しています。
この帽子というキーアイテムは、鈴木さんのアイデアなのです。

そうして宮崎駿監督は、
「世界の誰もやらないようなことをやっている」。
「ずっとそれを追いかけている」
と鈴木さんは仰います。

そして私、気付いてしまいました。
宮崎駿監督の世界観が、ハイジやルパンを通して、幼少のころからDNAレベルにまで刷り込まれていたことを。
運命の出会いという、宮崎監督の恋愛観が根付いていることを。
鈴木さん曰く「現実はそうはいかない」恋愛観。
これが、私がいまだに独身である理由だったのだ...!

個人的には衝撃のこの新事実。
しかし鈴木さんは完全に他人事で、
「ここまでいったら貫き通せばいいですよ(笑)」
あっちゃんも
「もしかしたら帽子飛んでくるかもしれないし(笑)」
ですって。
現実には「ない」って言い切ってたくせにぃ。