5月25日 岩本 乃蒼

梅雨前のカラっと晴れた空から、
燦々と太陽が照りつけると、
私の中の普段は眠っている血が騒いできて、
気が付いたら、いつも遠い異国の地•スペインに思いを馳せています。


そんな時候となった先日、
とあるイベントを進行させていただきました。


日本テレビ麹町社屋から歩いてすぐのところにある
セルバンテス文化センターで行われた
その名も「フェスタ・ラティーナ」。


内容はスペイン語、ポルトガル語圏へ
これから留学を考えている高校生向けに、
ラテンの文化に触れてもらいながら学んでもらうというものです。


各国の大使館員や留学経験者が集い、
それぞれの国の持つ文化や
語学講座、観光スポットなど紹介。
なかには民族舞踊を披露する方も。

進行を務めたきっかけは、
私も今回参加した高校生と同じように海外に憧れ、
15歳の時に1年間、
スペインのある家族の元で留学したことでした。


スペイン・バルセロナから北へ車で2時間ほどの
バニョラスという美しい小さな湖畔の町。
街のケーキ屋さんを営むお宅でホームステイをしました。

なによりも驚いたのは、
スペインでは1日5食!とにかく食べる家庭が多いんです。
•Desayuno
•Almuerzo
•Comida
•Merienda
•Cena
と、5つに区切られた食事を家族で食べます。
そんな生活をしていたら
身も心も大きくなるわけで。

15歳という多感な時期に
1人で飛び込んだ知らない世界。


言葉の壁にぶつかったことで、
人と話すことの幸せをかみしめることができ、
たくさんの愛をもらったからこそ、
相手に楽をさせられるような人になりたいと思えた
大事な1年間だったと振り返ります。


約10年前、その頃一緒に過ごしたスペイン人の同級生からは、
『仕事をはじめたよ。』
『結婚したよ。』
『子供が生まれたよ。』
と様々な報告を、今でもこまめにもらい、


私からも
『テレビで情報番組担当しているんだよ。』
『レディ•ガガがゲストだったり、ヒュー•ジャックマンとロケをしたりするんだよ』
と報告してみるものの、
あの頃、毎日悩みながら過ごしていた日本人の女の子が
今テレビに出ているだなんて、
信じてもらえないこともしばしばです。


いつか五輪のような世界的イベントの中継で
国際映像のなかでリポートする私を
スペインの家族も見つけてもらえたらいいな、なんて思うのでした。