12月12日 篠原 光

『慎重派浪費家』

 

今、まさに今、僕のパソコン画面にはネット通販ページが開かれている。

マウスのカーソルは「カートに入れる」ボタンの上に。

 

 

押すか…!

お、押すか…?

 

 

早30分が経った。

幾度となく押してきた「カートに入れる」ボタン。

押すときは決まってこうだ。

その商品については十分に調べた。

検索ボックスに何回入れたかわからない「○○ 評価」「○○ レビュー」「○○ どうなの」。

後輩(浦野モモアナウンサー)も言っていたじゃないか「人生変わります」って。

 

こういう時に僕を支えるのは、いつだって先輩の言葉だ。

新人時代に教わったこの言葉は、奇しくも折に触れて頭をよぎる。

 

「日割にすれば、今日が最安値」

 

ああああああ誰ですかこんな事吹き込んでくれたのは…!(正解:森圭介アナウンサー)

どうせ買うんだから一日でも長い期間使った方がお得じゃない?というセリフ。

始めて聞いた時、天才だと思った。

まさかこれほど頭にこびりつくとは…なんて絶妙な自分への言い訳なんだ…。

 

今回のエッセイ、そもそもの発端は「あれ、最近出費多すぎ…!?」というふとした気づきから生まれた。

出費の原因を探していたが、結局は概念の問題なのかもしれない。

“これを最後に”無駄遣いはやめよう。

 

こうしてまた、左クリックを押してしまうのだ。

楽しみだなあ、プロジェクターで決勝トーナメント見るの。