『慎重派浪費家』
今、まさに今、僕のパソコン画面にはネット通販ページが開かれている。
マウスのカーソルは「カートに入れる」ボタンの上に。
押すか…!
お、押すか…?
早30分が経った。
幾度となく押してきた「カートに入れる」ボタン。
押すときは決まってこうだ。
その商品については十分に調べた。
検索ボックスに何回入れたかわからない「○○ 評価」「○○ レビュー」「○○ どうなの」。
後輩(浦野モモアナウンサー)も言っていたじゃないか「人生変わります」って。
こういう時に僕を支えるのは、いつだって先輩の言葉だ。
新人時代に教わったこの言葉は、奇しくも折に触れて頭をよぎる。
「日割にすれば、今日が最安値」
ああああああ誰ですかこんな事吹き込んでくれたのは…!(正解:森圭介アナウンサー)
どうせ買うんだから一日でも長い期間使った方がお得じゃない?というセリフ。
始めて聞いた時、天才だと思った。
まさかこれほど頭にこびりつくとは…なんて絶妙な自分への言い訳なんだ…。
今回のエッセイ、そもそもの発端は「あれ、最近出費多すぎ…!?」というふとした気づきから生まれた。
出費の原因を探していたが、結局は概念の問題なのかもしれない。
“これを最後に”無駄遣いはやめよう。
こうしてまた、左クリックを押してしまうのだ。
楽しみだなあ、プロジェクターで決勝トーナメント見るの。