いつから「言葉」に敏感になったのだろう。
アナウンサーになってからか?
答えは「否」。
きっと中学2年生の時だ。
あの時の教頭先生の言葉が忘れられない。
私は昼休み、サッカーボールをグラウンドで蹴っていた。
予鈴が鳴ったのでボールをドリブルしながら校舎に戻り、
調子に乗って廊下でもリフティングしていた。
しかし力の加減を間違えて蹴ったボールは勢いよく真上に飛び、
廊下天井の蛍光灯を割ってしまったのだ。
職員室へ直行し、教頭先生に報告した。
「ボールを蹴ったら、蛍光灯が割れてしまいました」。
すると教頭先生はこういった。
「町田君、それは嘘だね。蛍光灯が勝手に割れたのではない。」
(わたし)「??」
「正しくは、『ボールを蹴って、蛍光灯を割ってしまいました』だろ?」
私はなぜか感動した。
そう、蹴った私に非があるニュアンスをしっかりと伝えるべきだったのだ。
言葉って奥が深い。
その日から、アナウンサーを目指した...わけではないが、
言葉に興味を持ったのは確かだ。
ん?
いや、待て待て。「言葉に敏感になった」のはもっと昔だ。
あれは小学6年生の時だ。
授業中、私たちのクラスは全員で教室から視聴覚室へ移動することになったのだ。
周りのクラスは黙々と勉強中で静まり返っている。
私が、廊下を移動しながら友達とおしゃべりを始めた瞬間に
引率の先生が私に怒って言ったのは
「こら、町田!黙ってしゃべれ!」。
黙ってしゃべる??それ難しいぞ。
しかし当時の私は言い返すこともできず、とりあえず
半分だけ言うことを聞き「黙って」いた。
言葉って奥が深い。
その日から、アナウンサーを目指した...わけではないが、
言葉に興味を持ったのは確かだ。