うだるような暑さが続いた8月が終わり、
穏やかな秋晴れで新しい月をスタートできるかと思いきや、
そうもいかず。
このエッセイを書いている今日、東京は、雨です。
正直、雨の日は、あまり好きではありません。
髪の毛は湿気でペタッと纏わりつくし、服装だって限られる。
でも、映画や音楽の世界では、雨ってすごくロマンチックに描かれますよね。
私に、雨のときめきを初めて教えてくれたのが、
一番好きな映画『サウンド・オブ・ミュージック』。
物語の序盤、トラップ一家の長女リーズルが、
恋人とどしゃ降りの中、夜の庭園で秘密のデートを楽しむシーンは、お気に入りのひとつです。
二人で「Sixteen Going on Seventeen(もうすぐ17歳)」という楽曲を歌い踊るのですが、
それがとっても素敵。
外の雨なんて、お構いなし。むしろ、二人の想いがより掻き立てられて、
幼心に、あぁ大人になったらこんな素敵な恋ができるのかぁ、なんて思っていました。
あっ、ドキドキで言うと、韓国映画『ラブストーリー』も負けてはいません。
親子2世代にわたる純愛感動作ですが、この映画でもやっぱり雨のシーンが一番好き。
突然雨に降られたヒロインが、
思いを寄せる先輩と一緒に、先輩のジャケットを傘代わりに雨の中を走り抜ける、というシーンがあるのですが、王道とはいえ、初恋の甘酸っぱさに胸がキュンとします。
実は、韓国には、初恋を題材にした「ソナギ(夕立)」という有名な短編小説があり、昔から韓国人にとって、雨は初恋の象徴だとされているのです。
雨の日は、ちょっと憂鬱になりがち。
そんな日はぜひ、お気に入りの映画や音楽を楽しむのもおすすめです。