9月10日 佐藤 真知子

うだるような暑さが続いた8月が終わり、

穏やかな秋晴れで新しい月をスタートできるかと思いきや、

そうもいかず。

このエッセイを書いている今日、東京は、雨です。

 

正直、雨の日は、あまり好きではありません。

 

髪の毛は湿気でペタッと纏わりつくし、服装だって限られる。

 

でも、映画や音楽の世界では、雨ってすごくロマンチックに描かれますよね。

 

私に、雨のときめきを初めて教えてくれたのが、

一番好きな映画『サウンド・オブ・ミュージック』。

 

物語の序盤、トラップ一家の長女リーズルが、

恋人とどしゃ降りの中、夜の庭園で秘密のデートを楽しむシーンは、お気に入りのひとつです。

二人で「Sixteen Going on Seventeen(もうすぐ17歳)」という楽曲を歌い踊るのですが、

それがとっても素敵。

外の雨なんて、お構いなし。むしろ、二人の想いがより掻き立てられて、

幼心に、あぁ大人になったらこんな素敵な恋ができるのかぁ、なんて思っていました。

 

あっ、ドキドキで言うと、韓国映画『ラブストーリー』も負けてはいません。

親子2世代にわたる純愛感動作ですが、この映画でもやっぱり雨のシーンが一番好き。

 

突然雨に降られたヒロインが、

思いを寄せる先輩と一緒に、先輩のジャケットを傘代わりに雨の中を走り抜ける、というシーンがあるのですが、王道とはいえ、初恋の甘酸っぱさに胸がキュンとします。

実は、韓国には、初恋を題材にした「ソナギ(夕立)」という有名な短編小説があり、昔から韓国人にとって、雨は初恋の象徴だとされているのです。

 

 

雨の日は、ちょっと憂鬱になりがち。

そんな日はぜひ、お気に入りの映画や音楽を楽しむのもおすすめです。