亜乃音(田中裕子)たちは印刷機の使い方を学ぶつもりで招いた理市(瑛太)から、ニセ札作りへの協力を迫られる。
ハリカ(広瀬すず)とるい子(小林聡美)、舵(阿部サダヲ)は迷惑をかけた亜乃音のために理市を突っぱねつつも、それぞれ心の内には思うところがあって…。
翌日一人で理市の弁当屋を訪ねようとしたハリカは、小学校をサボっていた玲の息子・陽人(守永伊吹)に遭遇し、思いがけず仲良くなる。亜乃音と共に、陽人の感性の豊かさに驚くハリカだったが、周りと同じように振舞えないために学校で浮いてしまう陽人が、自分の個性や自由な発想に罪悪感を感じていることにかつての自分を重ね、胸が苦しくなってしまう。
そして、ニセ札作りに足を踏み入れようとしている舵に気付いたるい子は止めようとするが、舵は珍しく声を荒げて反論する。そして、るい子は舵が探していたニセ札用のサンプルの紙をハリカに捨てに行かせるが…。
一方、玲(江口のりこ)が再婚しようとしている相手が妻子のいる理市だと知った亜乃音は、理市を呼び出し、玲を傷つけないでほしいと頼むが、そこで理市はある火事の話をし始める…。かつてお金によって人生を狂わされた理市の不気味な導きによって、四人はニセ札作りの道へ引き込まれようとしていた…。
一度は年商400億のIT長者ともてはやされながらも転落の人生を辿ってきた理市(瑛太)は、金と地位を失ってからも献身的に自分を支える妻・結季(鈴木杏)に感謝しつつも、かつていた場所を忘れられずにいた。
印刷機の使い方を教えてもらうつもりで理市を招いた亜乃音(田中裕子)たちは、理市からニセ札作りに協力するよう迫られる。ある出来事からこの世界には本物のふりをしたニセ札が紛れ込んでいるということに気づいた理市は、最初からニセ札作りの技術を習得する目的で亜乃音の亡き夫・京介(木場勝己)の元で働いていたと話し始める。迷惑をかけた亜乃音のためにもニセ札作りを突っぱねるるい子(小林聡美)だったが、ハリカ(広瀬すず)と舵(阿部サダヲ)の心の揺れに理市は敏感に気づいていて…。さらに亜乃音は、玲(江口のりこ)に貸したはずの傘を理市が持っていたことで、玲が再婚すると話していた相手が妻子のいる理市のことだったと知る。
彦星(清水尋也)の病気を治すための治療費が、自分にはとても手が届かない額であることを日々実感するハリカは、一人理市の働く弁当屋を訪ねる。理市は不在だが、学校をサボって同じく理市に会いに来ていた玲の息子・陽人(守永伊吹)と思いがけず仲良くなる。帰宅した亜乃音は、もう会わないと玲に約束した陽人が家に来ていることに戸惑うが、陽人の鋭く豊かな感性に触れハリカと共に驚く。しかし、周りの子と同じように振る舞うことができず学校で浮いてしまう陽人が、自分の個性や自由な発想に罪悪感を感じている様子に、かつての自分を重ねたハリカは突然胸が締め付けられるような気持ちになる。
その頃、買い物途中で理市に遭遇した舵は、別宅に招かれニセ札作りへの一歩を踏み込もうとしていた。舵の怪しい動きに気付き止めようとしたるい子に、舵は珍しく声を荒げて反論。るい子は、舵が目を離した隙にハリカにニセ札用のサンプルの紙を捨てに行かせる。
一方、理市を呼び出した亜乃音は、玲を傷つけないでほしいと頼むが、そこで理市は過去に起きた火事の話を始める。かつて玲と陽人が住んでいたアパートが火事にあい、陽人を助け出した男性が亡くなったのだと言う。そして理市は“ある動画”を亜乃音に見せ、陽人が使ったライターが原因でその火事が起きたのだと亜乃音に説明し、玲と陽人に真実をバラされたくなければ、ニセ札作りに協力するよう、亜乃音を脅迫するのだった。
その頃、ニセ札用のサンプルの紙を処分しようと出てきたハリカは、彦星とのチャットで、彦星が父親から「頑張れば一年生きられる」と告げられたことを知る。一年“も”生きられると喜ぶ彦星に対し、ハリカは一年“しか”生きられないのだと、その命の短さに焦りを募らせ―。
そして、ハリカとチャットを終えた彦星の病室に、同年代くらいの女性が訪ねてくる。ハリカと対照的なその女性は、病室に入って来るなり彦星の手を強く握り、「助けに来た―」と言う。彦星もその女性とは面識があるようで―。
工場では、理市に強請られた亜乃音が、サンプルの紙の行方をるい子、舵に問い質す。亜乃音のただならぬ様子に事情を察したるい子は自分はついていく覚悟があると話す。そして、工場に戻ってきたハリカは、手に捨てに行ったはずのサンプルの紙を持ち、亜乃音に「私、お金が欲しい―」と訴えるのだった。