講談師・神田伯山、伝統芸能で大事なのは「恩」のリレーを繋ぐこと
2月12日(金)放送の『アナザースカイⅡ』では、講談師・神田伯山の佐賀の旅に密着。
想像こそが醍醐味の講談
「講談は、史実に脚色を織り交ぜたフィクション」と神田。「書き割りとかがお芝居みたいに無いからこそ、お客様の想像で物語を楽しめる」「何もないからこそ想像力が広がる」と講談の醍醐味を語った。
さらに、講談には舞台ならではの「生の楽しさ」もあるという。
「時々、物語の世界に入ってる時があります」という神田は、「登場人物が勝手に本来のセリフでないこともしゃべってたり」することがあるそう。そして、それを受けて「(物語の中の)相手も本来のセリフでない受け方」をするというアドリブが繰り広げられると語る。
しかし、そのように自分自身も講談を楽しむためには「(客前で) 30回以上はかけないと少なくとも形になってこない」「本当、試行錯誤です。実験と一緒ですよね」という一面も見せた。
後世に繋がる「講談」との出会い
今回訪れた佐賀・唐津市は神田の出身地で、5代前までの先祖が眠る墓がある。
小学4年で早くに父を亡くした神田は、「親父が早く死んじゃったので、人って死んじゃうなっていう事が切なかったんですよね。10歳位の時って。自分も死んじゃうんだって子供時代に思った時に、死んだとしても何らかの形で残る職業がいいなと思ったんです」と当時を振り返った。
そんななか、「高校2年の時にラジオで落語を知って」、その魅力にのめり込むなかで立川談志師匠が好きになり、師匠が講談を好きだったことから講談に巡り合ったという。
「その人が間にいたからこそ次に繋がるみたいな、そういう職業がいいなぁと思った時にこの職業を選んだ」と講談師を志したルーツを辿った。
講談で繋ぐ「恩のリレー」
24歳で弟子入りし、37歳で「神田伯山」の大名跡を継ぎ、2020年2月11日に真打昇進してから約1年。年間講演数は最高約700席とその人気は止まらない。
しかし、それほどにまで講演をこなしても神田は「(講談に)飽きることがない」「講談をやっている時が人生で一番楽しい」と話す。
「伝統芸能は何が大事かっていうと、後世に伝えて行かなきゃいけない」「師匠に受けた恩を師匠に返すんじゃなくて、師匠に受けた恩を下の世代に返す」「恩を受けていくリレーみたいな感じ」と神田。
「だから僕は次の世代、私より歳下の世代にそのバトンを渡し」、「弟子をちゃんと育てるというところでようやく講釈師としての人生を全うできるんじゃないかと思います」と講釈師としての使命感をのぞかせた。
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