寒い時期は火事に気をつけよう
火災はいつ、どうして発生するの?
東京で起きた火災を月別に見てみると、12月・1月・2月・3月に多くなっています。
冬場に多いのは、乾燥した気象条件のときに火災が発生しやすいから。
火災の3大出火原因は、放火・たばこ・ガスコンロです。
死者の発生した住宅火災の出火原因で、最も多いのはたばこです。
寝たばこによる火災や、たばこの火種が落ちたことに気付かず就寝してしまう火災が多発しています。
必ず決まった場所で喫煙し、吸い殻は水で完全に消してから捨てるようにしましょう。
自宅などは「防災物品」を使おう
「防炎物品」とは、火に接しても、炎が当たった部分が焦げるだけで容易には着火しない製品です。
不特定多数の人が出入りする施設や高層建築物、地下街などは、カーテンやじゅうたん等に「防炎物品」を使用するよう、消防法によって義務付けられています。
特に、高層マンションでの火事は、避難に時間がかかるし、火災が拡大すると多くの人の命が危険にさらされます。
このため高さ31m以上の高層マンションでは、消防法によって、居住する階に関係なく、カーテンやじゅうたん等を防炎物品にしなければいけないと決められています。
こんなところにも火事の原因が…
コンロに注意
住宅火災の出火原因で多いのは「コンロ」。
コンロに火をつけたまま離れ、火をつけていることを忘れて火事になるケースが多くなっています。
また、火を使用しないIHクッキングヒーターでも、専用の鍋を使用しなかったり、揚げものを少量の油で加熱したりすると火災になることがあります。
ストーブによる火災
ストーブによる火災は、周りのものがストーブに接触することで発生し、特に電気ストーブによる火災が多くなっています。
ストーブによる火災を防ぐには…
◆ ストーブの周りにはものを置かない
◆ ストーブの上で洗濯物を干したり、近くで乾かしたりしない
◆ 給油するときは、必ず火を消す
◆ つけたまま寝ない、外出しない
電子レンジで火災が!?
電子レンジで必要以上に食品を加熱してしまったために火が出たケースや、アルミなど本来電子レンジで調理できない包装を加熱してしまい、火花が出て火事になったケースもあります。
使い方を誤ると思わぬ災害になるので注意しましょう。
電気器具のコードにも注意
電気カーペット・こたつを使っていたら、突然煙が!!
発煙の原因として、コードの断線やサーモスタットが働かなくなるなどの劣化がよく見られます。
長年使用した暖房器具は、コードなどもよく点検しま しょう。
電気コードや差し込みプラグによる火事も発生しています。
原因は、トラッキング現象(※)などです。
コードやプラグが家具などの下敷きになっていないか、接続部が緩んだり曲がったりしていないか、ほこりがたまっていないか定期的に点検しましょう。
※トラッキング現象とは
コンセントに差したプラグの差し刃の間についたほこりが湿気を帯び、ショートして小さな火花が繰り返し出る現象のことをいいます。
コンセントの周りが焦げたり、最悪の場合、火災を引き起こしたりします。
トラッキング現象を防ぐには…
◆ほこりがたまらないように定期的に掃除する
◆プラグを抜くときは、コードではなくプラグ本体を持って抜く
◆使わないときはプラグをコンセントから抜いておく
放火に注意を!
住宅火災の原因で「放火」は常にトップとなっています。
時間帯としては、午前0時~3時にかけて発生するケースが多くなっています。
放火されないようにするためには…
◆ 家の周りを整理整頓し、燃えやすいものを置かない
◆ 車庫や、物置などには鍵をかける
◆ ごみは、収集日の朝、決められた場所に出す
子供の火遊びに注意を!
子供の火遊びによる火災も、やはり多く発生しています。
その4割以上がマッチとライターによるものです。
火遊びをした子供は、男の子が約8割を占めています。
子供が火遊びをしないようにするには…
◆ 日頃から、火の恐ろしさを教えておく
◆ マッチやライターは手の届くところに置かない
大雪火事の犠牲者は高齢者が多い
住宅火災での死者は、一人暮らしの高齢者が最も多くなっています。
亡くなった方は、通報や初期消火、避難が難しかったと考えられます。
日頃からご近所で声を掛け合い、協力して火災を出さない環境をつくりましょう。
また、家の中で着衣に火がついて負傷するケースも高齢者に多く見られます。
調理中にコンロから服に火がつく場合が多く、負傷者の半数は60代以上の人です。
高齢者を住宅火災から守るには…
◆調理をするときは、防炎のエプロンやアームカバーを使用して着火を防ぐ
◆コンロの火が鍋底からはみ出さないように火力を調節する