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恐ろしい土砂災害

大雨で怖いのは土砂災害・・

気象災害の犠牲者の多くが土砂災害による

大雨による気象災害で怖いのは、がけ崩れや土石流といった土砂災害と、河川の氾濫などによる洪水です。

西日本豪雨の時の岡山・倉敷市真備町のように、洪水で多くの人が犠牲になったケースもありますが、近年の気象災害で亡くなった人は、多くが土砂災害によるものです。

災害が発生する前には、様々な情報が発表されますので、自分のいるエリアの情報には注意するようにしてください。

 

「記録的短時間大雨情報」とは

「記録的短時間大雨情報」は、数年に一度程度の記録的な大雨が降ったことを実際に観測したり、レーダーなどを基に解析されたりした時に発表されます。

現在の雨の降り方が土砂災害や浸水害、河川の洪水の発生につながるような、稀にしか観測しない雨量であることを知らせる情報です。

この情報が同じ場所に1回発表されると約6割、2回出ると約8割の確率で、大雨による被害が発生してきました。

この情報が出されたら、周辺の状況に十分警戒してください。

 

「土砂災害警戒情報」とは

大雨が降って、土の中に大量の水がしみ込むと、がけ崩れなどの土砂災害が起きやすくなります。

「土砂災害警戒情報」は、どれくらい水が土の中にしみ込んでいるかを推定し、過去の災害とも比べて、危険な状況になった場合に出される情報です。

市区町村単位で発表され、自治体が避難勧告を発令する目安にしています。

土砂災害警戒情報が出された場合に危険な状況になっているのは、急傾斜地や渓流付近など、土砂災害が起きやすい危険な場所に限られます。

危険な場所は、都道府県が「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」、ないしは「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」に指定していますので、自分の家の周辺が指定されていないか、日ごろから確認しておいてください。

※気象庁資料

 

「土砂災害警戒区域」とは

がけや山際といった急傾斜地で、崩壊などが発生した場合に住民に危害が生じる恐れがある区域で、都道府県知事が指定します。

がけ崩れなどが起きそうな場所でも、建物が無く、住民への被害が想定できない山奥などは指定されません。

通称「イエローゾーン」と呼ばれ、大雨の時は早めの避難が必要なエリアです。

 

「土砂災害特別警戒区域」とは

急傾斜地で、崩壊すると危険な地域のうち、特に建築物に被害が出て住民に著しい危害が生じる恐れのある区域です。

都道府県知事が指定し、このエリアでは一定の開発行為の制限や住宅の構造の規制がされます。

通称「レッドゾーン」と呼ばれています。

 

土砂災害はどうやって起こる(土石流、がけ崩れ、地すべり)

「土石流」とは

山腹や川底の石や土砂が、集中豪雨などによって渓流を水とともに一気に下流へと押し流されてきます。

流れ下る速さは秒速4~14メートルといたって速く、人の足では逃げるのは不可能です。

ただし、土石流はまっすぐ進み、急には曲がれないので、横に逃げることで逃れることも可能になります。

普段は水が流れていないような小さな川で発生することが多いので、注意が必要です。

土石流は、山すそまで達した後は広がってやがて止まりますが、土地の勾配が2度以上あるエリアは被災する可能性があるので注意してください。

   図:気象庁

 

「がけ崩れ」とは

山の斜面や自然の急傾斜のがけ、人工的な造成による斜面が突然崩れ落ちてくる現象です。

梅雨の長雨や、集中豪雨などで地面が水をたっぷり含んでいる時は要注意です。

急傾斜地で起きるがけ崩れでは、崩れた土砂ががけの一番下の部分からがけの高さの2倍の長さまで到達する可能性がありますので、この範囲では避難が必要になります。

また、急傾斜地の上では、がけから10メートルの範囲は崩れ落ちる可能性が高くなるので、やはり避難が必要になります。

 

      図:気象庁

 

「地すべり」とは

斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面を下の方に移動する現象です。

一体となって移動するので、亀裂ができるのは滑る部分の周辺だけに限られます。

 

土砂災害の前兆に気を付けよう

土石流の前兆は・・

◆川が急ににごって大きな音が聞こえる

◆雨なのに川の水位が急に下がりはじめた

◆異様な山鳴りがする

◆土臭い異様なにおいがする

◆落石が起きる

 

がけ崩れの前兆は・・

◆斜面に亀裂ができる

◆斜面から小石がパラパラ落ちる

◆地面から地鳴りが聞こえる

◆湧水がにごった、急に水が湧き出した

◆湧水が急に増えたり、枯れたりした

 

地すべりの前兆は・・

◆地鳴りがする

◆家がきしんで家鳴りがする

◆根っこの切れる音がする

◆地面が振動する

◆地面に凹凸ができる

◆斜面の崩壊を防ぐための擁壁(ようへき)に亀裂ができる

※こんな現象が起きたら、すぐに安全なところに避難してください。

 

すでに危険な状況なら、建物の2階以上の山とは反対側に逃げる!

すでに外に出て逃げるのは危険な状況になっていたら、土砂災害の被害から逃れるために、2階以上の少しでも高いところ、それも山側とは反対側の部屋に逃げるようにしましょう。

近くに頑丈な建物があれば、そこに逃げ込むことも有効です。

 

晴れていても土石流?

豪雨の後、晴れているにもかかわらず土石流が発生する場合があります。

これは豪雨により、川の上流部分で倒木などがたまって川の流れをせき止めた「自然のダム」が作られ、そこに雨がやんでからも水や土砂などがたまり、ついに決壊して一気に流れ出すと土石流となります。

大雨の後は、晴れ間がのぞいたからといってすぐに安心せず、しばらくはいざというときための警戒を続けるようにしてください。
 

【関連リンク】
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