洪水から逃れる・・

洪水に警戒を・・

洪水は、大雨が降り続いた際に、降った雨を下水道が処理しきれずに、側溝などがあふれたり、川があふれたりすることによって起きます。

強い雨が一定以上続くと洪水になりますので、気象状況を確認していれば、予想のつく災害でもあります。

情報をしっかり収集して、洪水の災害によって命を失うようなことがないようにしましょう。

「川の防災情報」は情報がいっぱい

国土交通省の防災サイト「川の防災情報」では、気象・河川・土砂災害などの情報をまとめて確認できます。

河川監視カメラの映像、川の水位情報、浸水の危険が高まっている河川、洪水予報、雨量、気象警報・注意報、などなど。

全国の川に関連する情報を探すことができるサイトです。

https://www.river.go.jp/portal/

川で注意すべき情報

「氾濫注意情報」（氾濫注意水位）とは

川の水位が少し高くなってきたら発表される情報です。

まだ危険が迫っている状況ではありませんが、これから注意が必要だと教えてくれる情報です。

この段階で、ハザードマップ等により、災害が想定されている区域や避難先、避難経路を確認しておくようにしましょう。

「氾濫警戒情報」（避難判断水位）とは

川の水位が一定レベル以上に達した時に発表され、避難するのに時間がかかる高齢者などに対して避難を開始するように促す「避難準備・高齢者等避難開始」を自治体が発令すべきかどうか判断する目安となる情報です。

避難所開設のための時間なども考慮して、時間のゆとりをもって対応できる水位に設定されています。

まだ危険が差し迫った状況ではありませんが、高齢者などは避難を開始するなどの対応が必要です。

「氾濫危険情報」（氾濫危険水位）とは

かなり水位が高くなり、氾濫危険水位に達すると出される情報です。

自治体が「避難勧告」等を発令するかどうかを判断する目安としています。

住民が安全に避難するための時間も考慮して水位が設定されていますが、あまりゆとりがある状況ではありません。

このまま雨が降り続くと、数時間で川の水位が上昇して危険な状況に達する恐れのある状況です。

「氾濫発生情報」とは

川の越水や決壊が起きて、氾濫がすでに発生していることが確認された時に出される情報で、非常に危険な状況です。

命を守るための最善の行動をとるようにしてください。

ただし、河川を管理している職員などが実際に決壊などの現場を確認しないと発表されないので、災害発生後、時間が経ってから発表されることに注意してください。

外水氾濫と内水氾濫

「内水氾濫」とは

大雨が降ると下水や排水路だけでは雨を流しきれなくなることがあります。

また支川が本川に合流するところでは、本川の水位が上昇すると、本川の水が支川に逆流することもあります。

このように、水はけが悪化して水に浸かってしまうことを「内水氾濫」といいます。

「外水氾濫」とは

河川の堤防から水があふれたり、堤防が決壊して水が流れ出したりして、家屋や田畑が浸水することを「外水氾濫」といいます。

外水氾濫が発生すると、広い範囲で浸水被害が広がり、大きな被害に結び付くので特に注意が必要です。

越水はとっても危険なサイン

川が増水して堤防を水が越えてしまう「越水」が起きたら、最終的に堤防が決壊し大きな浸水被害に結び付く可能性が大変高くなった状況です。

大雨の災害から身を守るこつは　ハザードマップを見る！

大雨で危ないのは、“土砂災害”と“洪水”です。

市町村が公開しているハザードマップで、自分のいるところはどんな危険があるのか調べることができます。

※ハザードマップはこちらから調べられます・・

https://disaportal.gsi.go.jp/

ハザードマップで自宅周辺の安全性もチェックしておいてください。

◆急傾斜地などで、土砂災害警戒区域の指定を受けていませんか？

◆洪水が起きたとき、自宅の浸水予想は何メートルですか？

◆いったん洪水が起きたら、水が引くまでに要する時間は？

◆逃げるルートに危険は潜んでいませんか？

橋は危ない！

急な雨で橋の下に雨宿り･･･なんて、実はとっても危険です。

川が急激に増水する危険もあるし、橋の欄干に流れてきた木などが引っかかって水があふれるかもしれません。

大雨の時は橋には近づかないようにしてください。

すでに浸水が始まってしまった時の注意・・

冠水してしまった道を歩くのはとっても危険です。

側溝やマンホールが見えなくて、踏み外して落ちてしまう危険もあります。

どうしても歩かないといけない時は、棒などで確認しながら進むなど、慎重に行動するようにしてください。

家の周りがすでに浸水していたら、強引に逃げるのはかえって危ないので、遠くに逃げるのではなく、近くの高い建物や、自宅の2階に逃げることも検討してください。

◆水深20センチ～30センチ・・・ドアは水圧で開かなくなります

◆水深50センチ・・・水圧で女性は動けなくなります

まだ足首が浸かる程度のうちに逃げるようにしてください。

車での避難は危険がいっぱい

避難するときに、車で逃げるという人も多くいますが、車が動けなくなることがあるから注意が必要です。

車が水に突っ込むと・・・

◆水深が10センチを超えると・・ブレーキ性能が低下してしまいます

◆水深が30センチを超えると・・エンジンが止まってしまいます

◆水深が50センチを超えると・・車は浮いてしまい、流されることもあります

道が浸水しているところには無理に車で突っ込まないでください。

1台でも車が動けなくなると、渋滞につながってとっても迷惑です。

可能なら徒歩で逃げるようにしましょう。

「これくらいなら大丈夫」は、とっても危険です。

大雨で避難する際の注意

雨の災害時の避難　服装は？

避難する時は、手には何も持たず、両手を動かせるように雨合羽を着て動くようにしましょう。

薬などの大切なものは、リュックに入れて背中にしょって避難するようにします。

雨の時は、長靴をはきたくなりますが、水が入ってしまうと動きにくくなるので、長靴はさけましょう。

濡れてはしまいますが、スニーカーが動きやすくて一番安全です。

役立つ防災グッズは？

食料などの一般的な防災グッズに加えて、雨の災害時には「ポンチョ」。

停電時には、懐中電灯も便利だけど、ランタンも使える場面が多いです。

アウトドアグッズの中には、防災グッズとして役立つものが多くありますので、参考にしてみてください。

暑い季節は熱中症対策グッズなど、寒い時期なら防寒具や使い捨てカイロなども用意しておくと安心です。

晴れているのに洪水が起きることも

大雨がやんで、晴れ間がのぞくようになってから川があふれて洪水になることもあるので注意してください。

洪水は、川の上流で降った雨が流れ下って、下流に集まってきてあふれますが、大きな川では水が流れ下るのに1日から2日以上かかることがあります。

大雨がやんだ後、土石流にも注意が必要です。

大雨によって川の上流部分で倒木などがたまって川の流れをせき止めた「自然のダム」が作られると、雨がやんでからも水や土砂などがたまりつづけて、ついに決壊して一気に流れ出して土石流となることがあります。