気象庁の「キキクル(危険度分布)」で危険を察知!
気象庁HPで、今この段階で自分のいるところが土砂災害・浸水害・洪水の危険がどのくらいになっているのか、それぞれの危険度が分かるマップ「キキクル(危険度分布)」が公開されています。
5段階の色分けで危険度が示されていて、地図でどこが危ない状況なのかすぐに分かるようになっていますので、大雨の時はこまめにチェックしてみてください。
(※2022年6月30日から表示の色などが改定されました)
◆自分がいるエリアが「紫」になったら、危険が切迫してきていてすぐに避難を開始する合図。レベル4に相当します。
◆「黒」はレベル5に相当。黒になったら、大雨による災害がすでに発生している可能性が高い状況で、最大限の命を守る行動をとる必要があります。
気象庁のHPはこちら…
http://www.jma.go.jp/bosai/risk/
このページで、選択画面を押すことによって土砂災害・浸水害・洪水のマップに移行します。
土砂災害の危険度分布
大雨による土砂災害発生の危険度の高まりが、地図上で1キロメートル四方のメッシュ毎に色分けされています。
2時間先までの予測値を用いて常時10分毎に更新していて、どこで土砂災害の危険度が高まっているかを把握することができます。
気象庁HPはこちら…
https://www.jma.go.jp/jp/doshamesh/
(「大雨警報(土砂災害)の危険度分布」気象庁)
浸水害の危険度分布
1時間先までの雨量予測をもとに、大雨の時に、実際にどこで浸水害発生の危険度が高まっているのかが一目で確認できます。
気象庁のHPはこちら…
https://www.jma.go.jp/jp/suigaimesh/inund.html
(「大雨警報(浸水害)の危険度分布」気象庁)
洪水の危険度分布
3時間先までの雨量予測をもとに、中小河川を含む全国の約2万の川について、急激な増水による洪水災害発生の危険度の高まりを一目で確認できます。
まだ水位が低い場合でも、3時間先までに洪水になりそうな予想になると紫になるので注意してください。
なお、全国298の大河川で洪水のおそれがあるときに発表される指定河川洪水予報についても表示されます。
気象庁のHPはこちら…
https://www.jma.go.jp/jp/suigaimesh/flood.html
(「洪水警報の危険度分布」気象庁)
危険度分布の画面に、ハザードマップの危険エリアも重ねて表示・・
★洪水の「危険度分布」の画面 + 洪水浸水想定区域
★土砂災害の「危険度分布」の画面 + 土砂災害警戒区域等のリスク情報
を重ね合わせて表示できます。
ハザードマップの被災想定エリアを重ねることで、今どこが危なくなっているのかが分かります。
皆さんが避難するかどうか決める時の判断材料にしてください。
ただし、洪水に関しては大きな河川を中心に想定が行われていて、すべての河川について浸水区域が想定されているわけではありません。
また、土砂災害の警戒区域も指定がまだ終わっていない地域があるうえ、そもそも人の住んでいない山間部は指定されないことに注意してください。
※洪水の危険度分布に洪水浸水想定区域を重ねて表示した例
(色が表示された部分が浸水想定エリア)
※土砂災害の危険度分布に土砂災害警戒区域等を重ねて表示した例
(茶色い部分が土砂災害の危険エリア)
※危険度分布とリスクを重ねて表示する場合の使用方法
「線状降水帯」発生に警戒を!
線状降水帯とは
線状降水帯による大雨によって毎年のように甚大な災害が生じていることから、2021年から線状降水帯が発生した場合に「顕著な大雨に関する気象情報」として発表されるようになりました。
線状降水帯は、次々と発生する発達した積乱雲が列をなし、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過したり停滞したりして大雨が続くもので、強い雨雲が線状に伸びている状態です。
図:気象庁資料から
線状降水帯が発生したという情報が出され、自分のいる場所に雨域がかかってくるようなら、周囲を確認しながら洪水や土砂災害に厳重に備える必要があります。
線状降水帯が発生すると、気象庁のHPの「雨雲の動き」に赤い線で囲んで表示されます。
線状降水帯の予測情報とは
2022年6月から、気象庁は線状降水帯が発生する可能性が高くなったと予測した場合(雨の範囲が線状に連なって広い範囲で大雨が続き、3時間で150mm以上の雨になりそうなどの条件を満たした場合)、半日から6時間程前に「線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性がある」とした情報を発表することになりました。
詳しくはこちら…気象庁|線状降水帯に関する各種情報の解説 (jma.go.jp)
この情報は気象庁が発表する気象情報の中で伝えられるもので、ニュースなどで知ることができます。この情報が発表された場合、いざという時の避難の備えを確認するなど大雨災害に備えることが必要です。
ただし、線状降水帯の予測は技術的にまだまだ難しく、気象庁は予測の情報が発表されても実際に発生するのは4回に1回程度で、逆に線状降水帯が実際に発生した場合も3回に2回は予測の情報を出すことができないということです。
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